オピニオン
JR北海道、安全守る使命はどこに行った
次から次へと発覚する不祥事に呆(あき)れるばかりだ。JR北海道のレール異常放置問題で、衆院国土交通委員会の参考人質疑に招致された野島誠社長は、これまで判明していた函館保線管理室だけでなく他8部署でレール検査データの改竄…
ケネディ駐日大使着任、日米同盟強化の好機生かせ
米国の新しい駐日大使キャロライン・ケネディ氏が着任した。故ジョン・F・ケネディ元大統領の長女として抜群の知名度と人脈を誇り、オバマ大統領とも近い。 それだけに米政界や世論への影響力もあり、米側に日本への理解を深めても…
野口英世と恩師フレクスナー
獨協大学教授 佐藤 唯行 渡米後の苦労が呼んだ縁 手を差し伸べたユダヤ系教授 千円札の図案で馴染み深い野口英世(1876~1926)。生涯にわたる恩師がユダヤ人であった事実を知る者は少ない。その名はサイモン・フレクスナ…
資源回復へウナギ稚魚保護の取り組み強化を
水産庁はこのほど、ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の保護を要請する長官名の文書を各都道府県知事に送った。 シラスウナギの漁獲量はピーク時の40分の1に激減した。日本は世界最大のウナギ消費国であり、資源回復に向けた取…
欧州で広がる反ユダヤ主義 米ユダヤ教ラビ ローゼン師に聞く
背景に経済・政治的不安定 国際機関「宗教・文化対話促進国際センター」(KAICIID)は18、19の両日、ウィーンで「グローバル・フォーラム」を開催した。同センターは昨年11月26日、サウジアラビアのアブドラ国王の提唱…
東南ア外交でさらに連携深める具体策を
安倍晋三首相がカンボジアとラオスを訪問した。就任1年足らずで東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国すべてを訪ねたことになる。さらに連携を深める具体策が必要だ。 「積極的平和主義」を支持 ASEAN各国は中国の…
祖母の旅立ちと沖縄戦前後
沖縄大学教授 宮城 能彦 家族より御真影を守る 評価は変われど一生懸命に 私事で恐縮だが、先日母方の祖母が亡くなった。105歳であった。祖母は明治41年旧羽地村(現在の名護市)生まれ。戦前の沖縄女子師範学校を卒業した後…
婚外子相続問題で拙速な民法改正は混乱招く
未婚の男女間の子(婚外子)の遺産相続分は結婚した夫婦の子(嫡出子)の2分の1とする民法の規定を改め、同等にしようという同法改正案が国会に上程されている。先の最高裁での違憲判断を受けたものだが、法律婚への配慮を怠った安易…
「日本人の良質な精神取り戻せ」2020年五輪・パラリンピックの東京
元関東都市学会会長 横濱プロバス倶楽部副会長 中村實氏に聞く 1964年の東京五輪が日本の高度経済成長の始まりを告げる大会だったのに対して、2020年の東京五輪は成熟した世界都市で開かれる大会を目指している。では、そこ…
拒否されるシリア和平会議
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 強硬な国内アラブ勢力 アサド政権への復讐が目標 民主主義を謳う思想もなく、自由を求める秩序もなく、集団をまとめる指導者も、そして運動を管理する組織もない中で始まった騒乱が、老醜の大統領…
電力システム改革は大局的な視点に立ち議論を
発送電分離など電力システム改革のスケジュールを定めた改正電気事業法が成立した。独占状態が続いた電力市場に競争を促すことが狙いだが、安定供給の面などで重大な懸念がある。政府は大局的な視点に立ち、今後の詳細な制度設計を進め…
安定を装う中国共産党3中全会
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 格差・腐敗に不満鬱積 「改革の深化」は前途多難 中国共産党の重要会議である第18期中央委員会第3回全体会議(18期3中全会)は、北京市内の軍関係ホテルで9日から4日間の日程で開催された。 …
強権に頼る政治のもろさ露呈した中国3中総会
中国共産党の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)がこのほど終了した。 昨年同時期に習近平氏が総書記に選出されて1年。中国が直面する歴史的課題に果敢に取り組むかと期待されたが、示された方針は玉虫色の内容で新味は全く…
7~9月期GDPで来年の増税に耐えられるのか
来年4月の消費増税に日本経済は耐えられるのか、心配な数字である。7~9月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0・5%増と4四半期連続のプラス成長となった。しかし、以前ほどの力強さがない。 輸出の低迷が減速の主因だが…
第26回共産党大会決議案に対北・対中脅威の記述なし
1月15日から開催 日本共産党は11月12日と13日に第9回中央委員会総会を開催した。その場で、来年1月15日から4日間の日程で開催される第26回党大会の決議案が採択された。今回、その決議案を分析する。 決議案を分析…
国民投票年齢の「当面20歳」は妥当な判断だ
憲法改正のための国民投票の資格年齢を18歳以上とするか、それとも20歳以上か。与党内で意見が分かれているが、自民党は「当面20歳以上」にする方針を決めた。投票年齢は選挙権年齢や成人年齢と深く関わっており、影響も考慮せず…
景気と再建を追う安倍政権
政治ジャーナリスト 細川 珠生 何が必要か明確に示せ 増税でアベノミクスに不安 第二次安倍政権が発足して、もうすぐ11カ月になる。この間、支持率は60%前後を推移しており、第一次政権はもとより、ここ近年の自民・民主両政…
国家戦略特区の実験成功させ経済再生を
安倍政権が成長戦略の柱としている国家戦略特区法案が今国会で審議入りした。安倍晋三首相は、大胆な規制緩和で民間投資を呼び込むことで「世界で一番ビジネスのしやすい環境を創出する」と意欲を示している。法案成立が経済活性化につ…
原発再稼働で温室ガス削減の目標高めよ
温室効果ガス削減に向けた国際的取り組みを協議する国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)が、ポーランドの首都ワルシャワで開幕した。2015年に合意し20年にスタートする削減のための新たな国際的枠組みづくり…
「アベノミクス」の中間点検
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 緩和による需要拡大まだ 13兆補正で尽きる財出効果 安倍政権が、「アベノミクス」(①異次元金融緩和、②財政出動、③成長戦略)の実施を宣言してから1年になろうとしている。 …
わが国も安心はできない台風被害
今年発生した台風の中で最も強い勢力となった台風30号がフィリピンを直撃し、中部レイテ島では死者が1万人に上る恐れがある。 地球温暖化などの影響で、今後も猛烈な台風が発生することが予測される。日本に襲ってくる可能性も否…
「非嫡出子」違憲判決に思う
(社)教育問題国民会議理事長・弁護士 秋山 昭八 多様化してない家族形態法律婚主義の尊重を訴えよ 夫婦は同姓とする民法の規定は違憲で、国が夫婦別姓のための立法措置を怠ったとして、事実婚の夫婦ら5人が国に慰謝料を求めた訴…
安全性確保のため薬のネット販売規制は妥当
政府は一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売について、医療用(処方薬)から切り替わって間もない品目の一部を規制することを決めた。また、副作用の強い劇薬に指定されている5品目のネット販売は禁止する。 ネット通販業界…