オピニオン
日本とASEANとの対中牽制の意義は大きい
安倍晋三首相はこのほど東京で開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)との特別首脳会議で「海上の安全、航行の自由、国際法の原則に従った解決の重要性」を強調する共同声明を発表した。 名指しを避けたとはいえ、軍事力を背景…
国家安保戦略を決定、「積極的平和主義」を評価
政府は初の「国家安全保障戦略」を決定した。戦略と銘打っているものの当面の対応策的な内容が中心であり、国家戦略とは言い難い。 だが、1957年策定の「国防の基本方針」に代わるものであり、過去の対米依存一辺倒の安全保障政…
明年の日本経済を展望する
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 戦略特区で成長なるか 機能不全の第一と第二の矢 今年の日本経済は、アベノミクスの第一の矢(異次元金融緩和)と第二の矢(財政出動)で明け、第三の矢(成長戦略)の策定で暮れよ…
14年度税制改正大綱は景気腰折れ防止に十分か
与党の自民・公明両党が2014年度の税制改正大綱を決めた。14年度はデフレ脱却を目指す中、消費増税が実施される。 デフレ脱却と近視眼的な財政再建の二兎(にと)を追ったため、どちらも半端な内容になった。消費増税による景…
尊敬と互助精神不可欠に 在日外国人支援ボランティア活動家 浅沼雅子氏に聞く
外国人女性ワーカーの涙〈下〉 現代の「唐行き」さん/私だったら気が狂っていた私が施したというより/学ばさせていただいた ――帰国した人とタイで会ったことは? 私は一度もタイには行っていない。 私と個人的なつながりの…
米ソ対話開いた陰の工作者
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 国交80年にマトロック氏 レーガン政権の快挙を回顧 今年はリンカーンのゲティズバーグ演説から150年、ケネディ暗殺から50周年に当たり、それぞれ関連記事を目にする。節目の年と言えば、米…
非配偶者間人工授精、子供の幸福忘れてないか
急速に進歩する医療技術が法律の想定外の事態を引き起こしている。第三者の精子を使って妻が人工授精し出産した子供について、性同一性障害のため女性から性別変更した夫が自分の子供と認めるよう求めた裁判は、その典型であろう。 …
マンデラ元南ア大統領を悼む
評論家 太田 正利 許し合いを選んだ生涯 「多人種共存」遺訓の実現を ネルソン・マンデラ南アフリカ元大統領の訃報に接し、多くの感慨がこみあげてきた。筆者がアフリカにおいて個人的に親しかったのは、カウンダ大統領(ザンビア…
原発「ゼロ」からの政策転換は当然だ
総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の基本政策分科会は、安全性が確認された原発の「再稼働を進める」と明記した新エネルギー基本計画案を承認した。政府は来年1月中の閣議決定を目指す。 民主党政権が目指した「2…
権力集中で中国共産党崩壊回避へ 香港政治誌「前哨」の劉編集長に聞く(下)
集団指導に限界、外堀埋める ――中国共産党は11月の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で内外の治安維持を統括する「国家安全委員会」と改革の司令塔となる「中央改革全面深化指導小組」という2組織を立ち上げたが、この新…
張成沢氏死刑執行、北朝鮮の不測の事態に備えよ
北朝鮮は、公職を追放された張成沢氏の死刑を執行した。張氏は金正恩第1書記の義理の叔父で「後見人」とされてきた実力者だ。今後の北朝鮮の権力構造の変化と対外政策への影響を注視する必要がある。 強硬策に傾く恐れも 張氏は国…
中国の難題は少数民族政策 香港政治誌「前哨」の劉編集長に聞く(上)
中国の習近平共産党総書記が就任して1年が過ぎ、思想言論統制を一層強めて反体制派を弾圧する保守カラーを強める一方、改革も取り込もうとする腐心もにじむ。既得利益層が優遇され、庶民は改革の恩恵を受けられない社会に不満が爆発す…
現行憲法に家族解体の理念
改憲による「家族の保護」急げ 法律婚軽視の改正民法 男女の間に生まれた子(婚外子)の遺産相続分を法律上の夫婦の子(嫡出子)の半分とした規定を削除した改正民法が先の国会で成立した。最高裁が今年9月、冒頭の規定を違憲とする…
人種融和に尽力した「巨人」マンデラ氏死去
不屈の闘士として南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策の撤廃を主導した同国の元大統領ネルソン・マンデラ氏が死去した。追悼式には日本から皇太子殿下と福田康夫元首相が参列した。約100の国・機関の首脳級が出席してマンデ…
特定秘密保護法案審議の総括
東洋学園大学教授 櫻田 淳 紛糾は与党側の不手際 適宜、検証し修正する努力を 12月6日深夜、特定秘密保護法案は、参議院本会議で可決、成立した。この法案への賛否の姿勢は、大別して次の三つしかなかった. ①秘密保護法制…
みんなの党分裂、再編の前に政治家の器広げよ
みんなの党が分裂し、離党届を提出した江田憲司前幹事長らは民主党の細野豪志前幹事長、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長らと勉強会「既得権益を打破する会」を設立した。 参加者は政権交代を可能とする政界再編につなげたい…
自律的成長へ政府の継続的財政支援を
安倍晋三政権が来年4月の消費増税による景気への影響を緩和するため、5・5兆円規模の経済対策を閣議決定した。 本紙は経済の自律的成長に至っていない段階での増税実施に強い懸念を示してきた。今回の対策は懸念を払拭するには十…
巧妙化する中国の尖閣領有権主張 米中経済安保調査委 ラリー・ウォーツェル氏
中国の防空識別圏設定 【ワシントン早川俊行】米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」の委員で、中国軍事戦略の専門家であるラリー・ウォーツェル氏はこのほど、世界日報の取材に応じ、中国が沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海…
中国ADIZ問題と海上保安庁
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 尖閣の領海警備強化を 国民の応援態勢作りも必要 中国が11月23日に唐突に防空識別圏(ADIZ)を設定し、我が国の領土である尖閣諸島の空域を識別圏に入れた。また、ADIZ内では飛行計画の提…
世界に広めたい「母の味」
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は「和食 日本人の伝統的な食文化」の世界無形文化遺産への登録を決定した。国内の無形文化遺産は、昨年の那智の田楽(和歌山県)に続いて22件目。食関連では初めてとなる。 今回の登録を機に、…
中国防空識別圏公告に思う
元統幕議長 杉山 蕃 対応を周到に準備せよ 公海上空飛行の自由を貫け 11月23日付で、中国国防部は「東シナ海防空識別圏」を設定し当該空域の航空機識別規則を公告した。かなり一方的なもので、航空防衛・航空管制上問題が大き…
秘密保護法成立、次の課題は防諜機関設立だ
特定秘密保護法が制定された。日本版NSCの設立と相まって、独立国家として国家の安全を確保する体制整備が前進したといえる。だが、漏洩(ろうえい)すれば国家の存立を脅かしかねない安全保障上の秘密の保護体制が完備したと見るべ…
一層の学力向上へ取り組みを
経済協力開発機構(OECD)が2012年に実施した第5回国際学習到達度調査(PISA)で、日本は「読解力」と「科学的応用力」が4位、「数学的応用力」が7位で、前回を順位、平均得点とも全分野において上回った。 文部科学…