ヘリパッド建設反対派、違法行為をやりたい放題

《 沖 縄 時 評 》

有刺鉄線切り山城博治議長逮捕

◆県道占拠し交通遮断

ヘリパッド建設反対派、違法行為をやりたい放題

県道を占拠するヘリパッド建設反対派

 沖縄本島北部の米軍北部訓練場(東村高江、国頭村安波)のN1ゲート前の県道70号でヘリパッド建設反対派が路上に座り込んでいる(写真上)。

 日本は民主主義国家だから抗議の自由、集会の自由が許されているが、車が通る目的で造られた県道で集会を開く権利はない。県道の座り込みは違法である。彼らの座り込みは、砂利トラックがN1ゲートに来た時に一斉に立ち上がってトラックの前に立ちはだかり砂利トラックを阻止するのが目的である。彼らには抗議する権利はあるが砂利トラックを阻止する権利はない。

 集会の参加者のほとんどは車で来るため、県道は路上駐車が原因で1㌔以上も一方通行になってしまう。ヘリパッド建設反対派は地元の高江住民や県道70号を通る県民に大いに迷惑を掛けている。

 ヘリパッド建設反対派は7月22日に「県民会議オスプレイヘリパッド建設阻止現地行動実行委員会」を結成した。代表には沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)が就いた。何のことはない。名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前の移設反対派が高江に移動しただけである。

 実行委員会は現地で建設を阻止すると宣言している。現地で阻止するというのは実力で阻止するということである。

 7月22日には実際、県道70号に200台近くの車をハの字に並べ、車の下に人間が潜り込んで、ヘリパッド工事を阻止するために砂利や資材を運ぶ車両の通行を阻止したのである。これが彼らの「阻止現地行動」である。

 「阻止現地行動」は砂利や資材を運ぶ車両を阻止することはできた。しかし、県道70号を通る県民の車も阻止した。この実行委員会は県道70号を占拠して交通を完全遮断したのである。

 集会を開くのは自由である。しかし、県道で集会を開くのは違法行為であり自由の域を超えた集会であり許されない。集会を開くには他人に迷惑を掛けないことが条件であり、警察の許可が必要である。抗議活動は表現の自由であり許される。しかし、県道を占拠して資機材を運ぶ車を止めるのは違法行為であり許されない。法治主義の議会制民主主義国家日本で「阻止現地行動」を宣言したことは違法行為をやると宣言したも同然である。

 「ヘリパッド建設阻止現地行動実行委員会」が開いている集会は集会の自由を悪用した民主主義を破壊する違法行為である。

◆地元住民は建設賛成

 違法集会の先頭に立っている山城議長は以下のような多くの違法行為・暴力行為をやっている。

 一、2014年にはキャンプ・シュワブのゲートで、進入禁止のイエローラインを越えて逮捕された。さらに、キャンプ・シュワブから出てきた軍雇用員の車を止めて、軍雇用員を大声で脅迫した。

 一、北部訓練場前では、仲間が逮捕されたことを受け、ヘリパッド建設反対派が名護署内に進入しないように警護している機動隊を何度も殴った。

 一、違法占拠しているN1裏テントを撤去するように張り紙を貼りに来た防衛局職員を捕まえてリンチした(写真下)。

 一、ヘリパッド建設現場は北部訓練場内にある。北部訓練場は米軍用地であるから進入禁止だ。しかし、山城議長は米軍用地に入り、しかもヘリパッド建設の作業場を囲っている有刺鉄線をペンチで切り、作業場に入って工事を阻止した。有刺鉄線を越えようとした山城議長を機動隊が止めようとすると、ペンチで機動隊を殴った。

 県道70号占拠、北部訓練場内侵入、有刺鉄線切断、機動隊や防衛局職員への暴力行為と山城議長はやりたい放題である。ヘリパッド建設を阻止するためには何でもするのが山城議長である。

 ヘリパット建設は宮城久和・国頭村長と伊集盛久・東村長が賛成している。それは国頭村民と東村民が賛成しているということである。しかし、山城議長にとっては国頭村長と東村長の賛成は関係ない。自分がヘリパッド建設に反対だから、ひたすら阻止行動をするだけである。彼は違法行為を平気でやる民主主義の破壊者だ。

 もし、山城議長と同じ人間が1万人いたら、彼らは安波と高江を占拠し、ヘリパッド工事の作業員も機動隊も追い出して出入り口には検問を設けて自主管理をしていただろう。

 もし、10万人いたら、沖縄本島北部だけでなく中部、南部も支配して、沖縄を独立させて独裁国家をつくろうとしていただろう。

 山城議長と同じ考えの人間が少ないため、ヘリパッド建設阻止は実現していない。幸いなことにヘリパッド工事は順調に進んでいる。

 もし、本土から500人の機動隊が動員されなくて、沖縄県警だけであったなら、7月22日以後の県道70号は「県民会議オスプレイヘリパッド建設阻止現地行動実行委員会」によって占拠され続けていただろうし、ヘリパッド建設は阻止されていただろう。建設工事を順調に進めるためには本土からの500人の機動隊が必要だったのである。

◆首謀者は共産・社民

ヘリパッド建設反対派、違法行為をやりたい放題

防衛局職員に暴力を振るう山城博治議長(左)

 沖縄県警名護署は10月17日、米軍北部訓練場内で沖縄防衛局がヘリパッド移設工事現場で使用していた有刺鉄線を切断したとして、沖縄平和運動センターの山城議長を器物損壊容疑で現行犯逮捕した。それは当然のことである。逮捕した県警は彼の暴力行為ではなく、有刺鉄線を切った行為を理由にしている。

 北部訓練場に侵入しただけでは米軍は逮捕できるが、県警が逮捕するには法律の壁があり難しい。県警は山城議長を北部訓練場に侵入した罪で逮捕したのではなく、有刺鉄線切断の疑いで逮捕した。

 山城議長が有刺鉄線を切断したのはこれが最初ではない。防衛省沖縄防衛局が有刺鉄線を張るたびに山城議長は有刺鉄線を切断して工事現場に侵入し、工事を中断させた。しかし、切断現場を見ていなかったため逮捕できない状態が続いていた。今回は山城議長が工事現場と提供区域内を隔てるフェンスに設置された有刺鉄線2本をペンチのようなもので切断しているのを防衛局の職員が見つけ、警察に通報した。通報を受けた警察官が、山城議長が区域外へ出るまで追跡し、東村高江の県道70号に出た後の午後4時22分、準現行犯として逮捕した。

 山城議長たちは進入禁止をはっきりと示していない北部訓練場内に侵入しているために進入を理由に逮捕するのは難しかったが、今回は進入禁止をはっきりと示す有刺鉄線を切断したので逮捕することができた。

 ヘリパッド建設反対派の違法行為と暴行が堂々とまかり通っているのが沖縄である。沖縄は異常である。

 違法行為を繰り返しながら強力な運動を展開するには豊富な資金と強大な組織力がなければできない。この違法な運動を主導しているのが統一連(安保破棄沖縄県統一連)と沖縄平和運動センターであるが、統一連は共産党直属の団体であり、沖縄平和運動センターは社民党系団体である。二つの団体は共産党と社民党の沖縄支部であるとも言える。そうであるならば、本当の首謀者は団体本部の共産党と社民党である。だから資金は豊富であり、計画的で強力な運動が展開できるのである。

 違法なヘリパッド建設阻止運動の首謀者である共産党と社民党に国政政党の資格はない。

(小説家 又吉康隆)