「プレ民」が若者に焦点

大学・高校生らと積極交流/公募はレディーファースト

 民主党機関紙「プレス民主」は、選挙権年齢18歳以上への引き下げを見通して、若者に焦点を当てる党のイベントなどの記事が目立っている。

 同紙5月15日号は1面に「若者の政治参画を広げよう 岡田克也代表が講演」のタイトルで「4月15日、早稲田大学の政治サークル『早稲田大学鵬志会』が開催した新歓イベントで、18歳の新入生等を前に」(リード)講演した記事を掲載。さらに4~7面にわたって「党幹部が若者とトークイベント」「岡田代表が高校生に特別授業」「若年層へのアピール強化へ 武正公一衆院議員に聞く」などの記事を掲載した。

 トークイベントは同紙5月1日号で「ニコニコ超会議2015×民主党」の見出しで報じており、動画サイトの「ニコニコ動画」が千葉市内で4月に催したイベントに出展したトークショーを詳報したものだ。

 また、同5月1日号には「枝野幸男幹事長が高校生の疑問に答える」の題で、枝野氏が3月に愛媛県立松山高等学校放送部を訪れ、生徒たちのインタビューを受けた内容を、4月3日号にも細野豪志政調会長らと大学生との座談会を2㌻にわたって掲載している。

 高校生、大学生ら若者との交流記事では、党の主張を出すものではなく、一般的な政治課題、議員の身近な話題が主で、若者の政治参画を促すやりとりだ。

 例えば、高校生の「小、中、高等学校では政治の仕組みや憲法の条文などは学習しますが、原発や集団的自衛権といった実際のテーマには触れません。主権者教育のあり方についてどう考えますか」との質問に、枝野氏は「原発問題などは、意見が分かれるから政治の大きなテーマになっているわけです。それを学校の先生に、完全に公正・中立な立場で教えるように求めるのは酷だと思います。むしろ授業では民主主義の歴史や政治の仕組みを詳しく教えてもらい、個別のテーマについては、そうした勉強をする中で、自分で本を読んだり新聞やニュースで報道を見てそれぞれに感じていただきたい」と返答している(5月1月号)。

 が、来年参院選で各党はこのような姿勢でいられるだろうか。

 「若年層へのアピール強化へ」の記事で武正氏は、「現在民主党の党員・サポーター23万人のうち18歳、19歳の割合は0・2%以下、400人弱、女性の割合は3割と、若者や女性の比率が低い現状にあります」と述べ、学生のインターン受け入れ、高校生など若年層の政治参加を促すイベントの各地での開催を打ち出した(5月15日号)。

 民主党に対する若年層や女性の支持が弱いわけだが、同紙最終面の公認候補募集では、「女性の声を政治の場へ 第1弾は女性限定」とレディーファーストの公募候補発掘に力を入れている。