「赤旗」の毎日コラム批判、注文に逆ギレ
「政権参加なら」衆院選総括など疑問呈され批判記事を掲載
共産党は機関紙「しんぶん赤旗」(12・9)で毎日新聞に載った山田孝男特別編集委員の政治コラム「風知草」を叩(たた)いた。保守系紙ならいざ知らず、野党寄りのリベラルな論調の新聞の記事で、書いたのは志位和夫委員長がインタビューに応じた相手だからだろう。
毎日6日付の「風知草」は、「共産党、政権参加なら」のタイトルで11月27、28日に行われた共産党中央委員会総会の衆院選総括を扱った。山田氏は野党共闘が「実を結ぶとすれば、基本政策をめぐる徹底討論を乗り越え、政権党の器量を示す党内民主主義が立ち現れた時だと私は思う」とし、「総会の討論で異論は出なかったのか? 志位和夫委員長に尋ねると、『ありません』と答えた」のに対し疑問を呈したものだ。
これに「赤旗」が「根拠ない断定で、日本共産党を叩く異常/――『毎日』コラム『風知草』を批判する」と題し、3面の大半の紙面を使って植木俊雄党広報部長の長文を載せた。
特に志位氏が幹部会報告で「『野党共闘は失敗』という大キャンペーンは、事実にまったく反するデマ攻撃」と述べたことを、「風知草」で「宣伝口調の断定」と書かれ、日米安保条約・自衛隊の廃止や天皇の存廃に触れた党綱領は「現実離れ」であり、「政権参加を狙うのなら現綱領の絶対視は改めるべき」だと唱えたことを問題にしている。
コラムに怒るも批判するも自由だが、批判記事の紙幅の広さは共産党にとって深刻さの表れだ。批判は、「志位氏は、山田氏のコラムについて、ツイッターで、『Y(山田)氏は以前、派遣労働での私の国会質問に注目を寄せ、私はある信頼をもってインタビューを受けた。それだけに今回のコラムは無残な思いがする』とつづっています。今日の一部メディアの知的堕落、知的退廃の深さを感ぜずにはいられない」と、愛憎を込めて結んでいる。
共産党は毎日を共闘できる相手と見ていたのではないか。毎日は週刊紙「サンデー毎日」(2018年11月4日号)で「野党共闘の新戦術で、安倍政権をこうして追い込む」と題して志位氏インタビューを掲載し、同記事を「赤旗」も大きく取り上げて宣伝した仲だった。
それが、野党共闘が選挙で負け、共産党に「政権参加なら」と注文すれば逆ギレだ。しかも、山田氏の関心「党内民主主義」に対して反論していない。痛いところを突かれたのだろう。
編集委員 窪田 伸雄





