「公明」投書に共産批判、デマチラシにあぜん
読者怒らせた赤旗号外 10万円給付金「実現」に
公明党の機関誌「公明」11月号の「読者の広場」に「共産党のデマチラシにあぜん」という投書が載った。東京都内30歳の会社員が、家のポストに入っていた共産党の宣伝チラシに「公明党の実績である『10万円給付金』を『実現』した」などと書かれていたと批判している。このチラシは共産党が全戸配布用に発行した「しんぶん赤旗9・10月号外」だろう。表側は志位和夫委員長の写真が載り、その右側の記事に「10万円給付金など、一歩一歩実現してきました」とある。
昨年春の新型コロナウイルス対策で、政府は減収世帯へ30万円給付だった方針を一律10万円給付に補正予算案を組み替えたが、同年4月15日、公明党の山口那津男委員長が当時の安倍晋三首相との会談で所得制限なしの国民1人当たり現金10万円給付を要請、自公の与党で協議した結果だ。
これは昨年4月15日のニュースや同16日付の一般紙で報道された。いつの間にか共産党の実績のように宣伝されては、公明党支持者であろう「公明」読者は怒りを通り越してあぜんとするのも無理はない。
また同投書は、共産党のチラシに「『“暴力革命”などという方針をとったことは一度もありません』などと、明らかなデマが堂々と書かれていた」と指摘している。これは「しんぶん赤旗9・10月号外」裏側の「市民と野党の共闘をこわすデマ」の項目に書かれており、「一度もない」理由を「公安調査庁が60年以上調べても何も出てこないことが何よりの証拠です」と書かれている。
これに同投書は、「暴力的な破壊活動を行ったから破壊活動防止法の調査対象団体になったのだ」と切り返した。共産党の党史は60年よりずっと長い。今年は創党99周年を祝い、100年目の党史を誇っている。
戦前の共産党機関紙には、天皇制打倒など暴力革命を標榜(ひょうぼう)するスローガンを書いた。また、戦後の暴力革命路線で山村工作隊、中核自衛隊を組織し、全国各地で破壊活動を行ったことは、1952年5月1日の血のメーデー事件はじめ新聞縮刷版などに当時数々の事件が記録されている。
近年も、北海道でかつて共産党の中核自衛隊に参加した人物が52年1月の白鳥一雄警部射殺事件について2011年3月にラジオ放送で証言し、一般紙も報じた。確かに「一度もありません」はウソであり、ごまかしである。
編集委員 窪田 伸雄






