社説
朴前大統領逮捕、韓国の安保空白は禁物だ
韓国の朴槿恵前大統領が収賄や職権乱用などの容疑で逮捕された。昨年の国政介入疑惑を発端とする混乱の中心にいた朴氏は結局、国会の弾劾訴追、憲法裁判所による罷免、検察の逮捕という厳しい処遇を受けた。 これで韓国大統領経験者…
重要法案審議で建設的論戦を
97兆5000億円の過去最大の2017年度予算が成立し、国会は後半戦に入った。このところ、学校法人「森友学園」問題で国会審議がほぼ一色となったが、重要法案は山積している。与野党には緊張感をもって建設的な論戦を行うことを…
香港行政長官選、輝き失わせる中国の強権統治
香港の行政長官選挙は、中国指導部がテコ入れした林鄭月娥氏が、有力候補だった曽俊華氏らを破って当選した。 だが香港大学の最近の世論調査では、曽氏の支持率が56%、林鄭氏は29%だった。香港市民が「民意なき選挙」と批判す…
高浜運転容認、司法は専門的知見を尊重せよ
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定について、大阪高裁(山下郁夫裁判長)が関電の保全抗告を認め、差し止めを取り消す決定をした。妥当な判断だ。 差し止め取り消した高裁 高浜原…
道徳教科書検定、教材生かす教師力の向上を
道徳は2018年度から小学校、19年度から中学校で「特別の教科」として正式教科になる。義務教育での新教科の教科書検定は1990年度の「生活」以来26年ぶりのこと。小学校全学年で8社から申請された計24点全てが合格した。…
拉致家族会20年、一日も早い全被害者救出を
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)が結成されてから20年が経過した。被害者家族の高齢化が進む中、一日も早く全被害者を救出することが求められる。 高齢化で時間との闘い 家族会は、1997年に横田めぐみさん=7…
英議会テロ、根絶に向け国際連携強化を
ロンドン中心部の国会議事堂近くでテロ事件が発生し、議事堂を警備していた男性警官1人と通行人3人の計4人が死亡、約40人が重軽傷を負った。実行犯の男は射殺された。 無辜(むこ)の人々を襲撃する卑劣なテロは決して許されな…
森友学園問題、劇場型イメージ操作に陥るな
衆参両院の予算委員会で、学校法人「森友学園」の籠池泰典氏の証人喚問が行われた。浮かび上がったことは、安倍晋三首相夫人の昭恵氏の国有地売却問題への関与や、現金の授受に関する“疑惑”が根拠の薄いものだということである。一方…
日露協議、領土交渉進展につなげよ
日露両政府は、約3年4カ月ぶりとなる外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を東京都内で開いた。北方領土問題をめぐるロシアの強硬姿勢は変わらないが、安全保障を含むさまざまな分野で協議を重ねて領土交渉の進展につなげる必要があ…
テロ等準備罪、未然防止へ何としても成立を
政府は「テロ等準備罪」の創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を国会に提出した。過去に3度も同趣旨の法案が提出されたが、廃案になっている。 だが、テロなどを未然に防ぐのが主たる目的であり、政府・与党は何としても成立させる…
豊洲問題、証人喚問で筋を通した石原氏
東京都の築地市場の豊洲への移転をめぐる問題で、都議会は調査特別委員会(百条委員会)を設置し、元知事の石原慎太郎氏を証人喚問した。 都が東京ガスから用地を取得した経緯について自らが決裁した責任を認め、小池百合子知事に早…
化学兵器、北朝鮮の平和への挑戦を許すな
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害された事件では、化学兵器である猛毒の神経剤VXが使用された。 化学兵器は大量破壊兵器の一つであり、戦争などで使われれば甚大な被害をもたらす。個人に対す…
GPS捜査違法、犯罪者の高笑いを許すな
警察は犯罪から国民の生命と財産を守るのが使命だ。それを果たすには旧来の捜査手法だけでは不十分だ。捜査対象者の車両に全地球測位システム(GPS)の端末を取り付け、検挙へと追い詰める手法は有効だ。だが最高裁は、GPS捜査を…
性犯罪厳罰化、「魂の殺人」の防止徹底を
政府は性犯罪の厳罰化を図る刑法改正案を閣議決定した。強姦罪や強制わいせつ罪について、被害者の告訴がないと起訴できない「親告罪」の規定を削除するのが柱だ。 告訴に伴う被害者の精神的な負担を減らし、「泣き寝入り」を防ぐ。…
サウジ国王来日、「脱石油」改革への協力を
サウジアラビアのサルマン国王が来日した。サウジ国王の来日は46年ぶり。その目的は、石油に依存する経済からの脱却への道筋を付けることだ。 原油価格低迷に危機感 かつて原油産出量世界一だったサウジだが、現在は米国に取って…
高齢者ドライバー、能力過信せず重大事故防げ
改正道路交通法が12日施行され、75歳以上のドライバーを対象に認知症対策が強化されることになった。高齢者ドライバーによる事故が増加していることへの対策だが、事故を減らすため、あらゆる面から対策を強化する必要がある。 強…
受動喫煙対策、健康被害減少へ強化は当然
政府は「飲食店は原則禁煙」などの受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案を今国会に提出する方針だ。 厚生労働省の有識者検討会が昨年8月に取りまとめた報告書によれば、受動喫煙で肺がんの死亡リスクが約3割上昇し、心臓病や…
日米韓の連携強化を急げ
ティラーソン米国務長官はきょうから日本、韓国、中国を初めて訪問する。国務長官の各国初訪問は親善の意味合いが強いとも言えるが、今回は北朝鮮の核・ミサイル開発への対応が喫緊の課題となっている。日米韓の連携強化を急ぐべきだ。…
民進党大会、明確な外交安保政策が不可欠
民進党の結党後初となる定期党大会が行われた。蓮舫代表は次期衆院選に向け、「2030年代」とした原発稼働ゼロの目標を前倒しした法案の策定を表明し、政権交代への決意を語った。しかし、国家の舵(かじ)取りをする上で不可欠な外…
朴大統領罷免、懸念される地域の不安定化
韓国の憲法裁判所は朴槿恵大統領について、機密文書流出などを違法行為と認定し、「国民の信任を裏切り、憲法を守る観点から容認できない重大な法違反行為を犯した」として罷免を宣告した。朴大統領は失職した。 韓国で大統領が国会…
在日米軍「攻撃」、基地撤去狙う北の緻密な戦略
北朝鮮当局は今回の弾道ミサイル発射実験を、在日米軍基地への攻撃訓練だと発表したが、日本のメディアは「日本への脅威が新たな段階に入った」と報道し、国民の恐怖心を煽(あお)る結果を招いている。北朝鮮当局は、ほくそ笑んでいる…
教育勅語論争、評価できる歴史上の立国理念
国会では学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる質疑から、同法人が幼稚園教育に取り入れた教育勅語に論争が及んでいる。8日の参院予算委員会で社民党の福島瑞穂副党首が稲田朋美防衛相に「教育勅語が戦争への道につながったとの…
ベトナム御訪問、両陛下が結ばれた日越心の絆
天皇、皇后両陛下は、ベトナム、タイ両国を訪問された。初めての御訪問となったベトナムでは、国家主席ら4人の指導者との御面会をはじめ、さまざまな人々と心を込めた交流に努められ、日越間の友好に新たな一ページを開かれた。 元…