社説
自民改憲論点、9条2項は削除が望ましい
自民党憲法改正推進本部は来年通常国会への憲法改正案の提出に向けて「論点取りまとめ」を了承した。年内をめどとした意見集約は先送りする。9条改正や緊急事態条項の創設については意見が分かれ、両論併記となった。 年明けの論議…
日韓外相会談、未来志向を損ねてはならない
河野太郎外相が初来日した韓国の康京和外相と会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応や懸案となっている一昨年末の日韓「慰安婦」合意などについて協議した。対北では日米韓3カ国の連携の重要性を再度確認できたが、合意の扱いでは…
リニア談合疑惑、徹底捜査で不正にメス入れよ
リニア中央新幹線の関連工事の入札をめぐり談合の疑いが強まったとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で鹿島、清水建設、大成建設、大林組の4社を家宅捜索した。 徹底捜査で不正にメスを入…
防衛大綱見直し、敵基地攻撃能力を持つべきだ
防衛政策の基本方針を示す「防衛大綱」の見直し作業が年明けから本格化する。安倍晋三首相は「従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたい」と述べている。当然の認識だ。 厳しさ増す安…
日英2プラス2、協力拡大で「準同盟」構築を
日英両政府は、河野太郎外相と小野寺五典防衛相、英国のジョンソン外相、ウィリアムソン国防相出席の下、ロンドンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催した。 ミサイルの共同研究も 日英2プラス2は2016年1月以来3…
米軍ヘリ窓落下、安保体制への信頼損なうな
沖縄県宜野湾市で米軍ヘリコプターの窓が落下し、約50人の児童が体育の授業をしていた小学校の校庭を直撃した。 幸い被害はなかったが、一歩間違えれば大変な事故になっていた。日米安保体制への信頼を大きく損なうものであり、言…
巡航ミサイル、国家の安全確保に不可欠だ
防衛省が長射程の巡航ミサイル導入の意向を示しているが、一部で「憲法違反」「専守防衛に反する」などといった反対論が出ている。だが、攻撃力なき軍事力は侵略を抑止できないのみならず、同盟国である米国の支援がなければ侵略阻止も…
伊方差し止め、不適切で受け入れ難い決定
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島市の住民らが求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁は「阿蘇の過去の噴火で火砕流が到達した可能性は十分小さいと評価できず、原発の立地は認められない」と判断し、来…
INF条約30年、露の違反への対抗措置は当然
米国と旧ソ連との間で結ばれた中距離核戦力(INF)全廃条約が締結30年を迎えたことを受け、米国務省はロシアによる条約違反の対抗措置として、中距離ミサイルの開発に着手すると表明した。 米が中距離開発着手表明 米国務省…
プーチン大統領、今のままでは課題解決できぬ
ロシアのプーチン大統領は来年3月の大統領選挙に立候補することを表明した。約8割の支持率を誇っており、有力なライバルは不在という無風状態で、当選は確実とみられている。 大統領の任期は6年で、通算4期目の当選を果たせば、…
五輪ロシア除外、不正根絶で競技の公正性守れ
国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアの組織的ドーピングを理由に来年2月の平昌冬季五輪への選手団派遣を認めないことを決めた。競技の公正性を損なう不正を厳しく処分するのは当然である。 深刻なドーピングの蔓延 IO…
米セクハラ問題、性の乱れを反省し健全社会に
米タイム誌が表紙の「今年最も世界に影響を与えた人」に、セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発した女性を「沈黙を破った人たち」として選んだ。米国ではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通して被害を公に…
エルサレム首都認定、米は和平実現へ一層の関与を
エルサレムをイスラエルの首都と認めるトランプ米大統領の宣言は、イスラエルとパレスチナの和平に貢献するのか。パレスチナ、中東諸国、欧州は強く反発、イスラエルは「歴史的な日」と歓迎した。 大使館移転も認める 宣言は、従…
羽生永世7冠、将棋界第一人者の驚異的記録
将棋の羽生善治棋聖(47)が竜王戦7番勝負で渡辺明2冠=竜王、棋王=(33)を4勝1敗で下し、竜王位を奪取した。竜王獲得が通算7期となって永世竜王の資格を得たため、7大タイトル全ての永世称号を持つ史上初の永世7冠を達成…
笹子事故5年、教訓をインフラ改修に生かせ
山梨県大月市の中央自動車道笹子トンネルで天井板が崩落し9人が死亡した事故から5年が経過した。悲惨な事故の教訓を今後のインフラ改修に生かす必要がある。 近距離での点検義務付け 2012年12月に起きた事故では、コンクリ…
無戸籍訴訟、家族守る民法批判は筋違いだ
生まれた子との父子関係を否定する「嫡出否認」を夫だけに認めている民法の規定によって子が無戸籍となり、不利益を被った――。兵庫県の女性が同規定は男女平等を定めた憲法に違反するとし、損害賠償を求めて訴訟を起こした。 これ…
北木造船漂着、不審者侵入にも警戒せよ
先月以降、北朝鮮籍と思しき木造船が日本海沿岸に漂着したり、海上で漂流していたりするのが相次いで発見された。遭難であれば人道上の措置が必要だが、日本への違法上陸を企てた可能性も否定できない。不審者や不審物の有無には細心の…
日馬富士の引退、果たしてこれでよかったのか
大相撲の横綱日馬富士が、同じモンゴル出身の平幕貴ノ岩への暴行についての責任を取り引退した。「貴ノ岩関にけがをさせたことに対し、横綱の責任を感じ」「横綱としてやってはいけないことをやった」と引退の理由を語った。もとより暴…
大飯原発、沸騰水型の再稼働も進めよ
福井県の西川一誠知事は関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)の再稼働に同意した。おおい町と県議会は既に同意しており、これで再稼働に必要な地元手続きは完了した。 福井県の西川知事が同意 西川知事は「総合的に勘案し…
相次ぐ企業不正、日本製品への信頼揺るがすな
三菱マテリアルや東レの子会社で品質データの改竄(かいざん)が判明した。同様の不正は先月、神戸製鋼所でも発覚している。 現在のところ安全上の問題は生じていないが、日本製品への信頼が揺らぎかねない事態だ。 品質データの改…
北ミサイル発射、米攻撃能力を確保させるな
北朝鮮は首都・平壌に近い平安南道平城付近から1発の弾道ミサイルを発射した。青森県西方約250㌔の日本海の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる。北朝鮮の弾道ミサイル発射は約2カ月半ぶりで、今回は飛距離がワシント…
相次ぐ企業不正、日本製品への信頼揺るがすな
三菱マテリアルや東レの子会社で品質データの改竄(かいざん)が判明した。同様の不正は先月、神戸製鋼所でも発覚している。 現在のところ安全上の問題は生じていないが、日本製品への信頼が揺らぎかねない事態だ。 品質データの改…
自民合区解消案、衆参の役割分担も明示せよ
年内に憲法改正案をまとめ、来年の通常国会への提出を目指す自民党は、参院選挙区の合区解消について、憲法47条と92条を改正して参院議員を各都道府県から選出することを明確にする方針だ。 しかし、単なる合区解消のための改憲…