上昇気流
乾電池は最も身近な生活用品の一つで、…
乾電池は最も身近な生活用品の一つで、テレビのリモコン、電気ひげそり機、柱時計、カメラ、ボイスレコーダー……ざっと挙げただけでも、これだけのものに使われている。 電池はエネルギーを電力に変換する装置だが、乾電池はそのう…
春、夏、冬休みになると、齢(よわい)70を…
春、夏、冬休みになると、齢(よわい)70を過ぎた今も、旅に心が駆り立てられるのを抑えられない。芭蕉のごとし、とは言うものの、当時のように苦しみを伴う旅ではない。非才の身に一句が浮かんでくるわけでもない。 それでも出掛…
恒例となっている米紙ニューヨーク・タイムズ…
恒例となっている米紙ニューヨーク・タイムズの世界の観光地ランキング2019年版に、日本で唯一「瀬戸内海の島々」が選ばれた(7位)。 3年に1度、瀬戸内海の12の島を舞台に開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」…
「大寒の火の気を断ちし写経かな」(藤岡あき)…
「大寒の火の気を断ちし写経かな」(藤岡あき)。「大寒」は俳句の季語でもある。稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』には「二十四節気の一つ。小寒から数えて十五日目、たいてい一月二十日ごろにあたる。一年中で最も寒さが厳しいころで…
ごく私的な話で始めることをお許し願いたい…
ごく私的な話で始めることをお許し願いたい。寒の入りとなったところで、愛用していた電気あんかが壊れてしまった。早速家人を一駅隣の電気量販店に買いにやらせたところ、以前は置いていたが今はないという。 ホームセンターにある…
永井荷風(1959年没)の日記「断腸亭日乗」…
永井荷風(1959年没)の日記「断腸亭日乗」の昭和19(1944)年3月24日の部分にこんな記述があった。「開戦以来現代民衆の心情ほど解しがたきものはなし」というのがそれだ。太平洋戦争後期の記事で、日本の旗色がよくなか…
都内のホテルで、俳人協会による「新年の…
都内のホテルで、俳人協会による「新年の集い」が開かれた。これは協会員を対象とする第25回俳句大賞と第2回新鋭俳句賞の表彰式を中心とした行事で、新年を飾るにはふさわしい会だ。 6581句の応募の中から俳句大賞に選ばれた…
《亡くなった哲学者、梅原猛さんの『隠された…
《亡くなった哲学者、梅原猛さんの『隠された十字架』は、法隆寺を聖徳太子の怨霊を鎮めるための寺と説いて衝撃的だった。文章も熱を帯び、読みながらぐいぐいと引き込まれたのを覚えている。 その中で梅原さんは、法隆寺の中門の柱…
初詣などの正月行事や昨日の成人式をはじめ…
初詣などの正月行事や昨日の成人式をはじめ、1月は祭りや行事が多くある。永い歴史を持つ日本は気候や風土に合わせ、独特の信仰や習慣から祭りや風習、文化を育んできた。 年の初めに豊穣をもたらす年神が訪れるという信仰も古くか…
新たな防衛大綱では、宇宙やサイバー空間…
新たな防衛大綱では、宇宙やサイバー空間、電磁波などの領域で領域横断的に作戦を展開できるようにするとしている。統合幕僚監部と内部部局に専門部署を設け、陸上自衛隊にも電磁波作戦部隊を置くという。 電子戦では、相手のレーダ…
「皸(あかぎれ)の手入れがすめば寝るばかり」…
「皸(あかぎれ)の手入れがすめば寝るばかり」(児玉葭生)。早朝、水で手を洗っているとピリッとした痛みが走った。見ると手のひらに赤い線がある。そこから血が少し出ているようだ。あかぎれだった。 東北の地方都市に住んでいた…
新年を新鮮な気持ちで出発しようと、東京…
新年を新鮮な気持ちで出発しようと、東京・銀座の観世能楽堂に足を運んだ。渋谷区松濤にあった能楽堂が、松坂屋の跡地にできた「GINZA SIX」の地下3階に移ってきたのは一昨年の4月。もともと観世流ゆかりの地らしいが、銀座…
4月から外国人労働者の受け入れ拡大が始まる…
4月から外国人労働者の受け入れ拡大が始まる。課題は多いが、特に言葉の問題は避けて通れない。米国務省がアラビア語と並んで習得が最も困難と認定する日本語だけに、話は簡単ではない。 新聞報道によれば、病院が外国人を「受け入…
1965年から85年までの間、NHK・FMで…
1965年から85年までの間、NHK・FMで放送された「バロック音楽のたのしみ」という番組があった。解説者の一人が音楽学者の皆川達夫さんで、西洋の古楽を系統立てて紹介していた。 私事で恐縮だが、気流子も、70年代に早…
海外原子力発電所事業の採算確保が安全対策…
海外原子力発電所事業の採算確保が安全対策などのコスト増大で、難しくなってきている。日本メーカーが受注を目指したリトアニアやベトナムでは計画が凍結または撤回された。 また三菱重工業は、事業費が当初想定(約2兆円)の2倍…
都道府県別では東京の1・04人が最少で、…
都道府県別では東京の1・04人が最少で、大阪1・67人、神奈川1・77人と続く。ワーストは、福井が5・26人、次いで富山5・11人、三重4・83人である。 何の数字かというと、昨年の交通事故による人口10万人当たりの…
年明け早々、住宅火災が相次ぎ、高齢者の…
年明け早々、住宅火災が相次ぎ、高齢者の犠牲が目立つ。2日午前0時半ごろ、高松市の鉄筋コンクリート建て民家の2階が焼け、96歳の女性と長男(71)が亡くなった。高齢者の親子の2人暮らしだった。 原因は調査中だが、台所が…
まだ松の内だが、正月気分はいまひとつという…
まだ松の内だが、正月気分はいまひとつという知人がぼやいていた。昨年末からの仕事が終わらないので、落ち着いて家でのんびりもできないというのである。確かに正月といっても、初詣やテレビの新年番組など恒例の行事や祭事を通過しな…
昭和天皇の御製集である『天皇歌集みやまきりしま』…
昭和天皇の御製集である『天皇歌集みやまきりしま』を古書店で見つけ架蔵している。毎日新聞社による出版で、奥付を見ると発刊は昭和26年11月3日。まだ日本が占領下にあった時のものだ。 スーツ姿の昭和天皇のお写真が巻頭にあ…
気流子が子供のころの町での会話。「正月は…
気流子が子供のころの町での会話。「正月はどうやって過ごすの?」と年長の男性が聞く。「寝正月ですよ」と問われた男性が即答する。「寝正月」という言葉は初耳だったが、意味は分かった。 「正月を寝て過ごすのか!? 悲惨な話だ…
「『一切空』空にはじまる大初日」(前田律子)…
「『一切空』空にはじまる大初日」(前田律子)。初日の出を拝もうと見晴らしのいい特別なスポットに出掛ける人は多い。都内では東京タワーや東京スカイツリー、レインボーブリッジ、葛西海浜公園などがある。 広々とした所や高い所…
<初暦知らぬ月日は美しく>吉屋信子。…
<初暦知らぬ月日は美しく>吉屋信子。明けましておめでとうございます。荘厳に響き渡る108の鐘の音に煩悩が消し取られ、真っ白な気持ちで迎える新年、新春。 今年は天皇陛下が退位される4月末で平成が幕を下ろし、5月1日に皇…
「コンドルが飛んでいないロッキー山脈なんて…
「コンドルが飛んでいないロッキー山脈なんて私には考えられない」――自然環境悪化で「種の絶滅」が進むことについて、以前話を聞いた元日本動物園水族館協会顧問の故正田陽一氏の感慨だ。 その半面、正田氏は「今でも、寿命を終え…