都道府県別では東京の1・04人が最少で、…


 都道府県別では東京の1・04人が最少で、大阪1・67人、神奈川1・77人と続く。ワーストは、福井が5・26人、次いで富山5・11人、三重4・83人である。

 何の数字かというと、昨年の交通事故による人口10万人当たりの死者数で、全国平均は2・79人。これを死者数だけの比較で見ると、愛知が前年比11人減ながら189人で16年連続ワーストという、ありがたくない記録保持県に。以下、千葉186人(前年比32人増)、埼玉175人(同2人減)が続く。

 全国の死者数は警察庁のまとめで3532人なのだが、この数字は目覚ましい成果を示したものである。過去最少だった平成29年をさらに162人(4・4%)下回った結果、統計が残る昭和23(1948)年以降の最少記録を更新したからだ。

 警察庁は「交通安全教育や取り締まりなどに取り組んだ」(担当者)ことや車の安全性向上、歩車分離式信号の設置など総合的な対策の結果だとみている。2年連続して過去最少を更新したことは堂々と胸を張っていい成果に違いない。

 国は第10次交通安全基本計画で、来年までに死者数2500人以下とする目標を掲げているが、こちらはちと目標が高過ぎて、今の勢いでも難しい。

 それでも展望は明るい。危険運転の取り締まり強化、高齢者の事故防止対策を進めていく中で、人工知能(AI)技術や自動運転車の実用化などと相まって、数字が一気にゼロに近づく時も遠くないからだ。