初詣などの正月行事や昨日の成人式をはじめ…


 初詣などの正月行事や昨日の成人式をはじめ、1月は祭りや行事が多くある。永い歴史を持つ日本は気候や風土に合わせ、独特の信仰や習慣から祭りや風習、文化を育んできた。

 年の初めに豊穣をもたらす年神が訪れるという信仰も古くからある一つ。年神を祖霊の神とする地方では、玄関や神棚を飾った門松や注連縄(しめなわ)、古いお札など正月飾りを小正月の14日の夜か15日の朝、神社などで焚(た)き上げる。どんど焼きや左義長(さぎちょう)の行事である。

 これはお迎えした年神を送るお祭りで、このご神火に当たると1年間を無事に送れるとされている。15日に小豆粥(がゆ)を食べたりして無病息災を願う習慣なども各地で見られるが、起源は古い。

 枕草子に描かれているのは、粥の木を隠し持つ女房たちが、隙を狙って互いに腰を打ち合って興ずる正月15日の風景である。この日に限っては姫様でも隙あらば打たれるという無礼講で、楽しみつつ安産を祈ったという。

 昨年11月、ユネスコ無形文化遺産に8県10行事で構成される「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」の登録が決まった。その一つに、大みそかの夜に鬼の面を着けて神に扮(ふん)した人々が家々を巡って災厄を払い落としていく「ナマハゲ」がある。

 秋田県男鹿(おが)半島に伝わる民俗行事だが、もともとは小正月の行事だった。元日は厳粛な雰囲気に包まれた行事で年神をお迎えし、小正月はやや打ち解けた親しみある行事で見送るのだ。改めて無病息災、五穀豊穣の一年に。