上昇気流
意外と知られていないが、戦前の日本は製作…
意外と知られていないが、戦前の日本は製作本数では米国を上回る映画大国だった。戦後それを知る連合国軍総司令部(GHQ)は占領政策遂行のため、民主化、非軍国化の啓蒙(けいもう)映画を作らせた。戦意高揚映画を作っていた映画会…
「組織と個人」というテーマがある。かつては…
「組織と個人」というテーマがある。かつては「強大な組織」が一方にあり、「無力な個人」がそれに向き合うという図式だった。個人が組織に勝つことは困難だとしても、どれだけ戦えるかというテーマだった。 今は逆に「強い個人」対…
福島県の伊達地方は昔から養蚕の盛んな所だ…
福島県の伊達地方は昔から養蚕の盛んな所だ。伊達郡川俣町に機織神社があり、中央公園には祭神の小手子の像が立っている。小手子を妃としていた崇峻天皇は、蘇我馬子の専断で帝位を失い、小手子は皇子を追ってこの地に来たという。 …
昨年暮れに一時入院していた同僚の退院祝い…
昨年暮れに一時入院していた同僚の退院祝いを兼ねて、銀座の老舗洋食店で夕食を共にした。作家の池波正太郎なども使っていたが、決して高い店ではない。いわゆる日本風洋食を供する店で建物も古く、昭和の雰囲気が濃厚に漂っている。 …
半導体やコンピューターなど日本のハイテク…
半導体やコンピューターなど日本のハイテク産業が目覚ましい発展を遂げたのは1970~80年代。村山裕三著『テクノシステム転換の戦略』によると、官民が協力して技術発展の方向を見定め、その産業政策が実行に移された。 この間…
「早春賦とは風の音水の音」(田上頼子)…
「早春賦とは風の音水の音」(田上頼子)。春を告げるものと言えば、梅の花やフキノトウの芽、太陽の柔らかな光、ぽかぽかとした陽気などがある。冬がいつ終わり春がいつから始まるのか分からないが、こうした兆しが出てくるうちに季節…
千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さんが…
千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さんが両親による虐待で亡くなった事件は、知れば知るほど、やりきれない気持ちになる。市教委や児童相談所の不手際など、大人が周りにいながらなぜ守れなかったのかとの思いが募る。 事件を受け…
今年から芥川賞・直木賞の選考会場が禁煙に…
今年から芥川賞・直木賞の選考会場が禁煙になったとの新聞報道があった。会場は東京・築地の高級料亭。選考委員は両賞合計18人。関係者を含めても多人数ではないが、「文士=タバコ」のイメージが強いのも確かだ。 禁煙の理由は、…
福島県の裏磐梯高原は冬季、雪に閉ざされ…
福島県の裏磐梯高原は冬季、雪に閉ざされ、多くの宿泊施設は休業するが、ウインタースポーツを楽しむ人たちのために営業しているホテルもある。スキー場が2カ所あり、国道459号は除雪作業が行われている。 桧原湖東岸では2月1…
児童虐待防止法が成立、施行されたのは2000年…
児童虐待防止法が成立、施行されたのは2000年で、児童相談所(児相)が強制力で児童を保護し、保護者の面会を制限できるようになった。その時期、同法制定に反対する複数の団体・グループを取材したことがある。 反対理由は大体…
やや暖冬と言われる今年でも、冬は冬である…
やや暖冬と言われる今年でも、冬は冬である。老身にはこたえる寒の間、外の風の冷たさに身を縮ませて過ごすうちに、はや2月も昨日は立春。「一月往(い)ぬる、二月逃げる、三月去る」と韻を踏んで言い表す、時の流れの速さに改めて驚…
通常国会の施政方針演説で、安倍晋三首相は…
通常国会の施政方針演説で、安倍晋三首相は少子化対策の一つとして、3歳から5歳までの全ての子供たちの幼児教育を無償化することを掲げた。「子供たちを産み、育てやすい日本へと大きく転換していく」という。 演説の中で、直接出…
「春そこに来てゐる如き水辺かな」(高浜年尾)…
「春そこに来てゐる如き水辺かな」(高浜年尾)。先日帰宅する時、雪が夜の闇を斜めに切るように降っていた。 春間近と思っていても、雪で電車のダイヤが乱れ、入試の開始時刻が遅延することも多々ある。 暦の上では、2月から春…
作家の故安岡章太郎の随筆は、自然な語り口で…
作家の故安岡章太郎の随筆は、自然な語り口で文章が流れていくのが魅力だ。疲れた時は、読みながら肩をほぐされているような感覚を味わう。 しかし、最晩年の「カーライルの家」(「群像」2002年1月号)はやや散漫で、重要な地…
佐賀の乱(明治7年)は明治維新後の「不平…
佐賀の乱(明治7年)は明治維新後の「不平士族の反乱」の一つだが、乱は145年前のきょう、勃発した。西郷隆盛の西南戦争の3年前のことだ。 首謀者は江藤新平。明治政権の司法卿(法相)や参議として活躍したが、大久保利通らと…
イスラエルのガリラヤ湖は、新約聖書に登場…
イスラエルのガリラヤ湖は、新約聖書に登場する風景の美しい観光地。かつて西の湖畔にあるティベリアのホテルに泊まった翌朝、湖の岸辺に行くと漁船が収穫した魚を水揚げしているところだった。 近くには魚屋があって、セント・ピー…
今年は亥年だが、イノシシにとっては受難の…
今年は亥年だが、イノシシにとっては受難の年となりそうだ。昨年暮れに岐阜県で豚コレラが発生し、約8000頭の豚が殺処分された。昨日も新たな感染が見つかりさらに1600頭を処分するというが、野生のイノシシにも感染が広がって…
「後悔はしたくない。全ての感情を消そう」…
「後悔はしたくない。全ての感情を消そう」。昨年の全米に続き全豪オープンと四大大会連覇の快挙を果たしたテニスの大坂なおみ選手は、そう心を定めて湧き上がってくる弱気の虫を封じた。 決勝戦の相手ペトラ・クビトバ選手(チェコ…
2016年現在のわが国の女性研究者は13万8400人…
2016年現在のわが国の女性研究者は13万8400人。研究者全体に占める女性の割合は15・3%と、それまでの最高を更新した。主要国と比べると低い水準(米国では13年時点で34・3%)だが、評価すべき数字だ。 日本の女…
「予感とは楽しき不安春を待つ」(高石幸平)…
「予感とは楽しき不安春を待つ」(高石幸平)。春の気配はまだそれほど明らかではないが、日中は少しずつ暖気が増している気がする。だが布団を干しても、まだ暖かさは短く、すぐに夜気が下りて冷たくなる。 こうした気候に先駆けて…
安倍晋三首相とプーチン・ロシア大統領の…
安倍晋三首相とプーチン・ロシア大統領の25回目となる会談が開かれたが、北方領土問題での進展は見られなかった。むしろロシア側の主張は、ますます強硬になっている。ラブロフ外相など北方領土が第2次大戦で合法的にソ連領になった…
小林秀雄(文芸評論家)、大岡昇平(作家)…
小林秀雄(文芸評論家)、大岡昇平(作家)、江藤淳(文芸評論家)の3者の間には、戦後文学史上の多くの問題点を含む不思議な因縁がある。大岡は江藤に、小林論の執筆を勧めた。資料の提供も惜しまなかった。『小林秀雄』と題された江…
梅だよりは立春のころから聞かれるのだが…
梅だよりは立春のころから聞かれるのだが、今年は暖冬で、茨城・水戸市の偕楽園では今週に入り、白難波や八重寒紅など、早咲きの花が70本以上開花したという。静岡県の熱海梅園では1月5日から梅まつりが始まっている。 熱海は冬…