イスラエルのガリラヤ湖は、新約聖書に登場…


 イスラエルのガリラヤ湖は、新約聖書に登場する風景の美しい観光地。かつて西の湖畔にあるティベリアのホテルに泊まった翌朝、湖の岸辺に行くと漁船が収穫した魚を水揚げしているところだった。

 近くには魚屋があって、セント・ピーター・フィッシュはじめ数々の魚が並び、街の人がやって来ては買っていく。この魚はティラピアの一種で、ホテルでも街の食堂でもメニューに入っていてよく食べた。

 油で丸揚げし、塩とレモンで味付けしただけの料理だが、淡白な白身でうまかった。ほかにイワシは酢漬けのマリネで、コイはスープの中の団子となって登場。すべてガリラヤ湖で獲(と)った魚だ。

 川や湖に恵まれた日本でも川魚が食べられてきたが、コイを養殖する産地は意外と多い。山形県の米沢市、長野県の佐久市、茨城県の霞ヶ浦などだが、市町村別で生産量1位は福島県郡山市。

 ところが大半は県外で消費され、地元ではあまり知られてこなかった。そこで地元の名物にしようと「コイ・プロジェクト」が2017年に始まり、今年で3年目。1月から2月までキャンペーン中だ。

 参加店舗は13軒から91軒に増え、PR紙「KOIKOI」(第3号)で名店の鯉料理を紹介。イスラエルと違うのは、料理の種類が和洋中と実に多いことだ。洗いはもちろん、バーガーやおにぎり、押し寿司(ずし)まである。スーパーでの販売も始まった。市の鯉係メンバーは20年後の夢を語って熱気が伝わってくる。