池永 達夫 rss

マレーシアで新政権発足

 先月20日、マレーシア新首相にイスマイルサブリ前副首相が就任した。同国はここ数年、与野党入り乱れての政争が続き、政治的混迷に陥っていた。新型コロナウイルス感染危機に本腰で立ち向かうため、安定した政治基盤の構築が新政権に…

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被爆76年目を迎える朝、平和記念公園の原爆死没者慰霊碑を訪れ祈りをささげる人たち=6日午前、広島市中区

「核の戦狼外交」へ虎視眈々の中国へ警戒感乏しい「原爆の日」各紙社説

◆脇甘過ぎる朝毎東京  広島は6日、76年目の「原爆の日」を迎えた。  昭和20年8月6日午前8時15分、米国が対戦相手だった日本の広島市に世界で初めて原子爆弾「リトルボーイ」を実戦投下した。人類史上初の都市に対する核攻…

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ミャンマー国軍の浅知恵

《 記 者 の 視 点 》 23年の再選挙、国際社会は認めず  ミャンマーで国軍がクーデターを起こしたのは2月1日。この日、非常事態宣言を出した国軍は、事実上の政権トップだったアウン・サン・スー・チー氏を拘束し、国家の全…

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東南アジアでコロナ感染急増

 新型コロナウイルスに対し中国は当初、共産党独裁政権による強制力を駆使した地域や都市単位でのロックダウンなどで制圧したとされ、強権国家の優位性を世界にアピールし開発途上国などへの影響力増大に意欲を見せた。だが、ここにきて…

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中国共産党百年と周恩来

ナンバー3に徹した不倒翁 評論家 石 平氏に聞く  中国共産党誕生から100年を迎える中、習近平総書記は来年開催される共産党大会で、3期連続の続投を図る意向だ。習氏が倣おうとしているのは、共産党の原点となる絶対的権限を持…

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中国共産党100周年式典での“共産主義復活宣言”を見過ごす各紙

◆朝日の空想的改革論  7月1日、中国共産党100周年式典が天安門広場で開催された。  天安門の壇上に立った習近平総書記は、「中国共産党はマルクス主義の基本原理を堅持し、21世紀のマルクス主義の発展を継続していく」と“共…

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コメ輸出で浮上するベトナム

 ベトナムの今年のコメ輸出量が、前年の世界3位から2位に浮上する趨勢(すうせい)となった。前年2位のタイがバーツ高による輸出競争力の低下やコンテナ不足、干ばつ被害による収穫の低迷で、今年は過去20年で輸出量ワースト1を記…

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伝統芸能の魅力

誇張美の歌舞伎 象徴美の能 日本伝統文化コーディネーター 藍川 裕さんに聞く  日本には長い歴史の中で育まれた世界に誇る文化がある。歌舞伎や能もその一つだ。日本伝統文化コーディネーターであり日本舞踊藍川流家元の藍川裕氏に…

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国際社会に「炭鉱のカナリア」の教訓を与える

《 記 者 の 視 点 》 名ばかりの民族自治、中国のチベット侵攻から70年が過ぎる  中国がチベットを侵攻し、自国領に組み入れてから70年が過ぎた。現在、チベット自治区とは名ばかりで、安定統治を名目に強権の鞭(むち)が…

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南太平洋・サモアの混迷

 南太平洋の島嶼(とうしょ)国サモアの長期政権が4月の総選挙の敗北を認めず、親中派の首相が居座ったまま野党党首が首相宣言するという二重政府の混迷が続く。ことは人口20万人のポリネシアの島国の主権が与野党のいずれかに転ぶか…

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中国 スリランカに5億ドル融資

 中国は先月、財政難にあえぐスリランカへ5億ドル(約540億円)を追加融資した。ユーラシア経済圏構想「一帯一路」の海の要衝をめぐり、中国に対抗する安全保障メカニズム「日米豪印戦略対話(クアッド)」を牽制(けんせい)する思…

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ミャンマー騒乱、落としどころは早期再選挙

《 記 者 の 視 点 》  タイには約100万人以上のミャンマー人が就労しているとされる。  バンコク支局時代にも、タイで多くのミャンマー人を目にした。何人かは友達付き合いもした。  その一人が支局に電話をかけてきたこ…

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ウイグル問題、米欧が対中制裁

 米国は3月22日、ウイグル人への人権侵害に対し中国に制裁を科した。欧州連合(EU)や英豪、カナダなども歩調を合わせている。ただ日本は制裁に慎重姿勢を保ったままだ。中国政府は「新疆の顔に泥を塗ることで中国を故意におとしめ…

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スマホ脳 自然と触れ合い依存回避を

脳科学者 森 昭雄氏に聞く  電車やカフェなど見回すと誰もがスマホをじっと見詰めている。朝起きて最初にやることは、スマホに手を伸ばすこと。一日の終わりも、寝床の横にそっと置く。そして一日中、何度となくスマホを触る。ほとん…

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国際河川メコン、渇水の危機

 ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムなど流域4カ国で構成する国際機関メコン川委員会(MRC)は2月12日、「メコン川の水位が懸念されるレベルにまで低下している」と警告を発し、その原因を「中国雲南省の水力発電だ」と告発した…

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ミャンマーのクーデター

《 記 者 の 視 点 》 日本は非難と関与の2本立てで  ミャンマーでクーデターが起き、国軍が政権を奪った。  昨年11月の総選挙では、スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が上下両院(定数664)で396議席と地滑り…

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ASEAN取り込みに動く中国

 東南アジア諸国連合(ASEAN)の人口規模は6億人。欧州連合(EU)の5億人を超え若年層の多い魅力的な巨大市場となっている。加盟国の国内総生産(GDP)の合計は2兆ドルを超え、インドに匹敵するまでになった。日本や中国の…

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中国・華為技術が狙う東南アジア市場

 中国の華為技術(ファーウェイ)が東南アジア市場取り込みに躍起となっている。中国側とすれば「米中テック冷戦下」で欧米などファーウェイ外しが本格化する中、経済面では同国と強い関係を持つ東南アジアを自陣に取り込む思惑がある。…

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中国・北京で開かれたモーターショーに展示された米テスラ社の電気自動車を見る人々(UPI)

中国が脱炭素化宣言

狙いは米との「新冷戦」終結  中国の習近平国家主席は昨年9月、国連総会一般討論でのビデオ演説で、2060年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指すと表明した。30年までに排出量が減少に転じる「ピーク…

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「教誨師」という仕事 死刑囚の魂の看取り人

《 記 者 の 視 点 》  今年、私が読んだ中で一番の本になるだろう。  講談社文庫から出ている堀川恵子著「教誨(きょうかい)師」だ。  半世紀もの間、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた浄土真宗僧侶・渡邊(わ…

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中国 立て続けに対豪「制裁措置」

 中国はオーストラリアに対し、経済報復カードを次々に切っている。豪州は4月、新型コロナウイルスの発生源調査を世界に呼び掛けた。これに中国は猛反発、豪州からの輸入や自国民の豪州旅行を制限する露骨な「制裁措置」に踏み切った。…

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タイで続く反体制デモ

 タイで大学生ら若者主導の反体制デモが続いている。今回のデモで顕著なのは、約30年前の反体制運動と同じ軍の政治介入が続くことに反発する構図が浮き彫りになっていることだ。違うのは調停役の王室の不在だ。 (池永達夫) 軍の政…

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重い対中債務に苦しむラオス

 ラオスには「宝の山に座っている貧乏人」という言葉がある。金や銅、ボーキサイトなど豊かな地下資源を誇る国土に暮らしながら、人々の生活は貧しい自国を自嘲気味に語るものだ。だが、最大の資産である地下資源も、このままでは中国に…

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