カタールで米映画が上映禁止に


イスラエル人女優が主演

 世界で公開され話題を呼んでいる米映画「ワンダー・ウーマン」の上映がカタールで禁止された。禁止はレバノン、チュニジアに続く3カ国目で、主演のイスラエル人女優ガル・ガドット(32)が兵役経験があることが、イスラエルと敵対関係にあるアラブ諸国の反発を招いたようだ。

ガル・ガドット氏

映画「ワンダー・ウーマン」のプレミア試写会に臨む女優ガル・ガドット=UPI

 ワンダー・ウーマンは先週、カタールの映画館で上映が開始される予定だったが、直前になって中止された。劇場側から理由は発表されていない。上映中止を求めて提訴したチュニジアの青年弁護士協会は、ガドットは「シオニスト(ユダヤ人のパレスチナ帰還運動の支持者)のチャンピオン」と主張している。

 この映画は先月、ヨルダンでも、反イスラエル活動家らの抗議を受けて一時的に上映が中止されたが、ヨルダン通信委員会の承認を受けて、上映が再開された。

 中東で議論を呼んでいる映画だが、ボックス・オフィス・モジョによると、2017年に入って世界で7億900万㌦、5番目の興行収益を上げている。

 主演のガドットは、SNSでイスラエルを支持し、パレスチナの民兵組織ハマスを非難したことで知られている。14年5月のフェイスブックへの投稿は、反響を呼び、親イスラエル、反イスラエル双方から1万9000件ものコメントが寄せられた。

(ワシントン・タイムズ特約)