60年間防衛の強固な砦・韓米同盟


韓国紙セゲイルボ

首脳会談で枠組み変化を予告

 文在寅(ムンジェイン)大統領が米国訪問日程を終えて1日帰国した。これまでの首脳外交空白を成功裏に埋めたという評価を受ける。最大の成果は首脳会談で韓米同盟の重要性を確認したところにあった。

文在寅氏(左)とトランプ氏

6月30日、ワシントンのホワイトハウスで会談に臨む韓国の文在寅大統領(左)とトランプ米大統領(AFP=時事)

 文大統領とドナルド・トランプ米大統領は、「韓米同盟こそ同盟の模範」とし、「韓米同盟をより一層偉大な同盟にする」ことで合意した。首脳会談前、サード(高高度防衛ミサイル)配備の遅延、対北朝鮮政策での異見など心配ごとが多かったが、取り越し苦労に終わった。首脳会談は別に過不足なく終わった。トランプ大統領が韓米自由貿易協定(FTA)再協議と在韓米軍駐留費用の“公正な”負担を要求したが、予想の範囲内だった。

 こうした成果が得られたのも、韓米同盟の存在が大きな役割を果たしたからだ。同盟は韓国動乱休戦の翌年1954年、韓米相互防衛条約発効で始まった。約60年間、南北対立状況で韓米連合防衛態勢は強固な砦の役割を果たしてきた。

 米国の立場では韓米同盟が日米同盟と共に、アジア戦略の基本の軸であり、最貧国だった韓国が民主主義・市場経済を具現したことは、米国の同盟政策の成功事例に挙げられる。

 文大統領は帰国のあいさつで、「韓半島問題をわれわれが対話を通じて主導していけるように、米国の支持を確保した」として、「韓半島の恒久的平和体制を構築するための長い旅程の一歩を踏み出した」と述べた。

 これからは、対北朝鮮対話構想を具体的に肉付けし、北朝鮮と周辺国を説得しなければならない時だ。韓米同盟はこのような作業の土台になるだろう。

 その上、韓米首脳は共同声明に戦時作戦統制権の早急な移管と韓国の連合防衛主導を明記した。遠からず韓米同盟の枠組みが変わる可能性があることを予告するものだ。

 韓米同盟の未来ビジョンを立てて、段階的ロードマップを精巧に組まなければならない。そのためには、米国の構想や意図に関して、何手も先を見通せなければならない。韓米同盟の将来に対する戦略的判断なしでは国家戦略を正しく準備できないのが韓国の現実だ。同盟管理を主要課題としなければならない理由である。

(朴完奎(パクワンギュ)論説委員、7月4日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。