【韓国紙】繰り返される大型山火事 根本的な対策を講じよ


韓国紙セゲイルボ「社説」

蔚山の山火事で消火活動を行う消防隊員(ゲッティイメージバンク)

 韓国政府が6日、山火事が起きて被害を受けている江原道三陟と慶尚北道蔚珍を特別災難地域に宣言した。今月4日、蔚珍で初めて発生した山火事は近隣の三陟まで広がり、超大型火災になった。一時、三陟液化天然ガス(LNG)基地まで広がり、地域住民はもちろん当局を極度に緊張させた。被害規模は1万2317㌶で、ソウル汝矣島の42倍、サッカー場1万7250個分の面積に該当するという。火災現場は戦場を彷彿(ほうふつ)させるほど惨憺(さんたん)たる状況だ。1人が亡くなり、数十人が負傷する人命被害も発生した。被害住民は近隣の体育館などで不安のため夜も眠れなくなっている。江原道寧越、釜山金井区、京畿道安山、大邱達城などの地でも大型の山火事で地域住民たちが大きな苦痛を味わっている。蔚珍と三陟の特別災難地域宣言が速かになされたのはせめてもの救いだ。

 文在寅大統領が5日、現場の状況報告を受けて特別災難地域宣言を指示し、ほぼ1日で出された措置だ。同地域に宣言されると、大統領令が定める応急対策および災害救護と復旧に必要な行政、財政、金融、税制などの特別支援を受けられる。特に各種被害の復旧費の50%が国費から支援される。そうである以上、被害住民の生活基盤を整えるための支援と補償が迅速になされるように、当局は行政力を総集中しなければならない。

 カギはいつ鎮火するかだ。消防当局はこれらの地域に全国「消防動員令2号」を発令し、鎮火人員約5000人、ヘリコプター約50機を投じて全方位的に山火事と死闘を繰り広げているが、強風で鎮火が思うように進んでいない。降水量が例年の17%にすぎず、日照りが約70日続いていることも鎮火を難しくする要素だ。昼間に火が鎮まっても夜に蘇(よみがえ)る状況が繰り返され、消防当局と住民たちの憂いが深まっている。当局が火災の範囲さえ把握するのが難しいというので、尋常ならざる状況だ。

 毎年3月になると年中行事のように山火事で国全体が“危機”に見舞われるだけに、今からでも政府は山火事対策の総点検に乗り出すべきだ。山火事が多く、大きな被害が集中する江原道と慶北地域に対する山林政策を精密に整えなければならない。松の木中心の単純林政策が火災に脆弱(ぜいじゃく)ではないかという点も確かめる必要がある。付け焼き刃的な対処を並べるのでなく、科学的な監視システムの構築など、根本的な山火事対策を出さなければならない。

(3月7日付)