中国での医療研究に支援停止を、米下院委で複数の法案承認
新型コロナウイルスの発生源との指摘がある中国湖北省の武漢ウイルス研究所への資金提供など、中国での医療研究への支援の停止を求める複数の法案が米下院歳出委員会で承認された。米議会で、新型コロナ感染拡大をめぐる中国の責任追及の声が党派を超えて高まっている。
法案は、武漢ウイルス研究所や、中国での一部の研究への公的支援の停止、コロナウイルスの遺伝子データが中国からの要請で国立衛生研究所(NIH)のデータベースから削除された問題について、その経緯の調査を求めている。
法案を提出した共和党のボイトラー下院議員は、法案の承認を「一歩前進」と歓迎した上で、「法案の最終的な目標は、中国共産党に、この世界的な大流行につながった間違いと隠蔽(いんぺい)を繰り返させないようにすることだ」と、感染拡大への中国の責任追及を訴えた。
また、共和党のスチュアート下院議員は、中国、ロシア、イラン、北朝鮮など「敵対国」での、ウイルスの毒性や感染力を高める可能性がある「機能獲得実験」への資金提供の禁止を求める法案を提出、同委で承認された。
スチュアート氏は「残念ながら、米国の資金が武漢ウイルス研究所に流れていたことを示す状況証拠がある」と指摘、「この明らかな国家安全保障への脅威に目をつぶってはならない」と、早急に対策を講じる必要性を訴えた。
法案は直ちに下院本会議に送付される。同様の法案は5月、上院でも超党派の賛成で承認されている。
(ワシントン・タイムズ特約)