ハイチ元政府職員が指示か、大統領暗殺でコロンビア警察


南米コロンビアのバルガス国家警察長官(中央)=15日、ボゴタ(EPA時事)

南米コロンビアのバルガス国家警察長官(中央)=15日、ボゴタ(EPA時事)

 カリブ海諸国ハイチのモイーズ大統領(53)が暗殺された事件で、南米コロンビアのバルガス国家警察長官は16日、ハイチ司法省の元職員がモイーズ氏の殺害を指示した可能性があると発表した。

 モイーズ氏は今月7日、首都ポルトープランスの自宅で武装集団に襲われて殺害された。ハイチ当局は、これまでに実行犯のコロンビア人26人とハイチ系米国人2人の「傭兵(ようへい)」を拘束、コロンビア当局に捜査協力を要請していた。

 バルガス氏は、「バディオ」というハイチ司法省の元職員が、実行犯のリーダー格だったコロンビア人の2人に、暗殺実行の3日前に指示を出したと説明している。バディオは、司法省の情報機関で汚職対策を担当していた。現在、ハイチ当局が行方を探しているという。

 一方、ハイチ警察は、これまでに、モイーズ氏の警備責任者を含む4人の警察幹部を拘束している。暗殺発生時、モイーズ氏の自宅と周辺には、少なくとも20人以上の警備担当者や警察官がいたとされるが、警備担当者らの負傷は報告されていない。

(サンパウロ・綾村悟)