露、極超音速兵器試射に成功 米と非難の応酬
米国とロシアが極超音速兵器の開発をめぐって、情勢の「不安定化」を招き、紛争を誘発すると非難の応酬を繰り広げている。迎撃が困難な次世代の兵器として、米、露、中国が開発にしのぎを削っており、バイデン政権でも、予算を重点的に配分するなど、開発に意欲的だ。
ロシア国防省は19日、極超音速巡航ミサイル「ジルコン」の試射に成功したと発表した。速度はマッハ7に達し、300㌔以上離れた標的に命中、実験は成功したという。ロシアは、極超音速ミサイルに核を搭載することを目指しているとみられている。
米国防総省のカービー報道官はこの点について19日、「ロシアの新型極超音速ミサイルは、核搭載可能であり、不安定化を招き、重大なリスクとなる可能性がある」と懸念を表明、「米国が開発している極超音速兵器は非核であり、米国は北大西洋条約機構(NATO)とともに、安定を促進し、抑止力を確保する決意に変わりはない」とロシアを牽制した。
これに対しロシアは激しく反発、在米ロシア大使館はツイッターで「欧州に極超音速兵器を配備すれば、大変な不安定化を招く」と主張、「敵対的な衝突の可能性が高まる」と米国を牽制した。
(ワシントン・タイムズ特約)