沖縄知事選告示、出陣式で第一声


「県民所得の向上を」佐喜真氏
「翁長氏の遺志継承」玉城氏

 沖縄県の翁長雄志知事の死去に伴う県知事選が13日、告示され、無所属の4人が届け出た。前宜野湾市長の佐喜真(さきま)淳(あつし)氏(54)=自民・公明・維新・希望推薦=、共産党や社民党、労組などでつくる「オール沖縄」が推す前衆院議員(自由党)の玉城(たまき)デニー氏(58)による事実上の一騎打ちとなる。選挙結果は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設など在日米軍再編に影響を及ぼす。

新人4人届け出

佐喜真淳候補

基地問題解決を訴えた佐喜真淳候補=13日午前、沖縄県那覇市(豊田剛撮影)

 「対立や分断を繰り返すのではなく、沖縄らしい和をもってダイナミックに前に進めていく」。佐喜真氏は那覇市で行った「出陣式」の第一声で、政府との対立が先鋭化した翁長県政からの路線変更を訴えた。「まずやるべきことは県民の所得を上げること。子供たちの貧困を撲滅し、保育所や医療の無償化を目指していく」と述べた。

 基地問題では、「普天間飛行場、キャンプ・キンザー(浦添市)、那覇軍港を返還できるのは私しかいない」と基地問題解決の姿勢を強調。一方で、普天間飛行場の移設先の明言は避けた。

玉城デニー候補

移設反対派に支持を求めて辺野古を訪れた玉城デニー候補=13日午後、沖縄県名護市辺野古(豊田剛撮影)

 一方、玉城氏は母親の地元である伊江島を第一声の地に選んだ。「イデオロギーよりアイデンティティーを大事にする翁長知事の遺志を受け継ぐ」と強調し、翁長氏後継を印象付けた。辺野古の米軍キャンプシュワブ・ゲート前では、辺野古移設反対派を前に、「辺野古の新基地建設は認めない。工事は絶対に断念させる」と誓った。

 沖縄知事選は当初、11月18日に予定されていたが、膵臓(すいぞう)がんを患っていた翁長氏が8月8日に死去したことで前倒しされた。翁長氏は辺野古移設反対を主張して2014年11月に初当選した。それ以降、辺野古の埋め立て承認を取り消すなどして政府と対立してきた。

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 元那覇市議の渡口初美氏(83)と元会社員の兼島俊氏(40)も立候補。投票は30日に行われ、即日開票される。県選挙管理委員会によると、12日時点の選挙人名簿登録者数は115万8569人。