「辺野古」平行線のまま 官房長官 沖縄知事と初会談
松野博一官房長官は6日、沖縄県庁で玉城デニー知事と会談した。玉城氏は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)を名護市辺野古へ移設する政府方針は「危険性の除去につながらない」と主張し、直ちに中止するよう要求。松野氏は現行計画の実施が「唯一の解決策」と反論し、平行線をたどった。
官房長官就任後、沖縄基地負担軽減担当相を兼ねる松野氏の沖縄入りは初めてで、玉城氏とは初顔合わせ。
松野氏は「着実に工事を進めていくことこそが普天間の一日も早い全面返還を実現し、危険性除去につながる」と強調。同時に「丁寧な説明により地元と信頼を築きながら、負担軽減や振興に全力を尽くす」と述べ、岸田政権が掲げる対話重視の姿勢で臨む方針を伝えた。
玉城氏は、移設計画の完了には10年以上を要することなどを指摘。また、政府が2022年度予算概算要求で沖縄振興費を2998億円としたことを念頭に、従来の3000億円台の確保を求めた。会談後、記者団に「きょうの段階はそれぞれの考え方の披歴だ。これから対話の場がつくられていくことに大いに期待したい」と語った。
松野氏は記者団から、沖縄振興予算は基地問題の進展に影響されるか問われ、「直接は関係しないが、両方の課題を総合的に推進していく意味で関連している」と答えた。
会談に先立ち、松野氏は名護市の渡具知武豊市長、辺野古周辺3地区の区長と那覇市のホテルで面会。宜野湾市で車座対話に臨み、住民から「夜間飛行が多く、寝付いた子供も飛び起きるごう音だ」などの苦情を受け、「ご意見を政府の対応に生かしたい」と応じた。