新兵器開発も実戦経験なし、米国防長官が中国軍を牽制
マティス米国防長官は兵士、学者として長期にわたり米軍に深く関わり、イラク、アフガニスタンでも戦闘経験がある。先月、中国・北京を訪問し、中国軍幹部、習近平国家主席と会談、その間、記者らと公開、非公開の会合を何度か開いたが、中国軍に対しどのような見方を持っているかはほとんど明らかにしなかった。
軍高官が最近、記者(ビル・ガーツ)に明らかにしたところによると、マティス氏は、2017年4月のトランプ大統領の別荘「マールアラーゴ」での米中首脳会談時に中国国防相に、中国軍に対する考え方を伝えたという。
マティス氏は、当時の常万全国防相に、紛争で衝突するならどのような軍がいいかと問われ、戦う相手が選べるなら、訓練をしっかり受けていながら、戦闘の経験がほとんどない軍隊がいいと答えたという。その理由は、戦闘と戦時の混乱の中では経験に代わるものはないからだ。
この発言が、中国軍に向けられたものであることは明らかだ。中国軍は、新型の艦艇、戦車、ミサイルを持ち、訓練に熱心なことで知られているが、1979年のベトナムとの3週間の国境紛争以後、地上戦を経験していない。
航空戦、水上戦の能力もはっきりしない。
中国は、同国初の空母、開発中の空母、新型の誘導ミサイル搭載艦と潜水艦など最新の艦艇を建造している。さらに、米国から盗み出した技術を基に新型爆撃機、ステルス戦闘機も開発している。
ミサイル部隊は、さまざまな射程、能力を持つ新型ミサイルを保有している。誘導可能な弾頭を持つ対艦弾道ミサイル、核弾頭を搭載しミサイル防衛をかわす能力を持つ極超音速滑空飛翔体もその一部だ。
マティス氏は3月、北京を訪問し、常氏と会談する予定だった。しかし、同月、国防相が交代し、6月まで訪中の延期を求められた。マティス氏は6月27、28の両日、北京を訪問した。
訪中延期を中国が要請したのは、魏鳳和新国防相が就任後最初にマティス氏と会談することで、中国が米国寄りに傾いているとみられることを恐れたからだ。中国は現在、反米でロシアとの協力関係を強めている。
魏氏の就任後の最初の訪問国はロシアで、軍幹部らと会談した。これは、中国が米軍を主要な敵国と見なしていることを示している。






