米、迎撃ミサイルをアラスカに追加配備へ
北朝鮮を依然強く警戒
トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談で両国の緊張は緩和に向かっているとみられているが、アラスカ州に配備された迎撃ミサイルは依然、高度な即応体制を取っている。
マティス国防長官は25日、地上配備型迎撃ミサイル(GBI)が配備されているアラスカ州フォートグリーリー基地を訪問した。基地には数百人規模の部隊が配備され、長距離ミサイル攻撃に備え、常時、監視体制にある。現在44基の迎撃ミサイルが配備され、今後増強される予定だ。
マティス氏に同行した共和党のサリバン上院軍事委員長は、「脅威は増している」と指摘。北朝鮮の脅威に備えて、今後も基地を増強することを明らかにした。
サリバン氏によると、早ければ2023年にも、20基の迎撃ミサイルが同基地に追加配備される。国防総省は、迎撃ミサイルはイランの将来的な脅威に備えるためでもあると明らかにした。
マティス氏は、北朝鮮との非核化交渉の成功によってミサイル追加配備の必要性は下がるかとの質問に対し、「一つの脅威が去ったとしても、別の脅威が生じる可能性に備えなければならない」と指摘、今後もミサイル攻撃の脅威が減少することはないとの見方を示した。
その上で同氏は、北朝鮮のミサイルについて「非常に深刻に捉えている」と、その脅威が依然として消えていないことを強調した。
米国は1867年にロシアからアラスカを買い取った。当時はその地政学的価値が認められず、買収を行った国務長官の名にちなんで「シワードの愚行」と呼ばれた。だが、マティス長官は「まったく愚行ではなかったと言いたい。米国にとって太平洋への入り口だからだ」と、アラスカが戦略的要衝であることを強調した。
サリバン氏は、アラスカがアジア太平洋地域の米空軍戦闘力の要でもあることを指摘した。
アラスカには現在、F22戦闘機の2個飛行隊が配備され、今後数年間で54機のF35戦闘機が配備される予定だという。
F22は、将来の中国との衝突に備えて開発され、「超音速巡航」によって長距離飛行を可能とし、長射程のミサイルの搭載が可能だ。






