台湾に高性能無人機売却へ 米政府承認
対中防衛力を強化
米政府は、台湾防衛の強化をさらに進め、ミサイル発射が可能な高性能無人機MQ9「リーパー」を含む武器売却計画を承認、議会に通知した。MQ9の台湾への売却は初めてで、4機で総額は6億㌦。
リーパーは、長時間、高空で滞空することが可能、中東でテロ組織の指導者の殺害などに使用されてきた。空対地ミサイル「ヘルファイア」4発またはレーザー誘導爆弾「ぺーブウェー」2発を搭載可能という。
今後、対空ミサイル「スティンガー」、迎撃ミサイルも売却される可能性がある。
台湾は、2005年に400発のヘルファイアを購入しており、その一部をリーパーに搭載することも可能だという。
政府高官は「台湾の防衛力は高まる。MQ9を導入するのは、NATO(北大西洋条約機構)+5(オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、イスラエル)以外では初めて。いい一歩を踏み出せる」と述べた。
計画には、海上警戒レーダー、電子偵察システムとともに2基の地上局と照準システムが含まれるが、ミサイルは含まれていない。
米国防総省は声明で、「タイムリーな情報・監視・偵察(ISR)活動、目標補足能力、対地、対艦、対潜水艦攻撃能力を提供することで」台湾が現在と将来の脅威に対応できるようにすると売却の意義を強調した。
米国は先月、対艦ミサイル「ハープーン」、空対地巡航ミサイル「SLAM-ER」42億㌦分の台湾への売却を発表したばかり。
台湾外交部は無人機売却発表を受けて「台湾への兵器売却はトランプ政権で10回目、過去2週間で3回目となる。これらの防衛兵器によって台湾は台湾海峡の平和を守る能力と自信を強める」との声明を発表している。
米政府は7月に、1987年のミサイル関連技術輸出規制(MTCR)の解釈を見直し、リーパーなどの無人機の輸出が可能になっており、MTCR見直し後、この種の兵器が輸出されるのは今回が初めて。
国際評価戦略センター上級研究員で軍事問題専門家のリック・フィッシャー氏はMQ9の導入で台湾は、標的を捉えるという重要な能力を手に入れ、米国から購入したばかりのSLAM-ERとハープーンを効果的に運用できるようになると指摘した。
フィッシャー氏は「MQ9は、ミサイルが標的を発見し、到達するために必要だ。人民解放軍(PLA)の船が侵攻の機をうかがい、台湾海峡の対岸には侵攻に備え兵力が集まっている」と台湾防衛での無人機の重要性を強調した。


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