秋篠宮殿下 皇太子と同等の「皇嗣」に
オンラインを積極活用
秋篠宮殿下が皇位継承順位1位の皇嗣となられて1年半。同妃紀子殿下と共に、新たな立場で着実に公務を果たされてきた。新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変したが、オンラインを積極的に活用し、コロナ禍での活動を模索される日々が続く。
昨年5月の代替わり後、天皇、皇后両陛下が皇太子夫妻時代に担ってこられた地方公務の多くを御夫妻で引き継がれた。今年はコロナ禍で多くの行事が中止や延期となったが、秋篠宮殿下は福井市で開かれた全国「みどりの愛護」のつどいの式典にビデオメッセージを寄せたり、ご一家と職員で手作りした医療用ガウンを自身が総裁を務める恩賜財団済生会に寄贈したりと、新たな試みに取り組んでおられる。
皇嗣は、従来の皇太子と同待遇となったため、秋篠宮殿下に支給される皇族費は年間9150万円と代替わり前の3倍になった。御一家を補佐するために新設された「皇嗣職」の定員も、旧東宮職とほぼ同じ51人となり、大幅に増員された。
このため秋篠宮邸と隣接する赤坂東邸を一体活用できるよう、総額34億円を掛けて整備が進められている。御一家は2022年3月の工事完了まで、近くの御仮寓所に移られている。
一方、天皇直系の内廷皇族ではなく、あくまで筆頭宮家という立場のため、支給される費目は内廷費ではなく皇族費のまま。地方訪問も天皇は「行幸」、皇后や皇太子は「行啓」だが、秋篠宮家は引き続き、他の皇族と同様「お成り」と呼ばれる。秋篠宮殿下の御意向もあり、警備体制も大きく変わっていない。