中国 コロナサンプルの提供拒否

米 研究所の公開を要求

ビル・ガーツ

ビル・ガーツ氏

 ポンペオ米国務長官は22日、中国政府に新型コロナウイルスのサンプルの提供を要求するとともに、新型コロナの発生源ではないかとみられている国内の研究所の調査の受け入れを要求した。

 ポンペオ氏は国務省での会見で、1月からサンプル提供を中国政府に公式に要請してきたが、「いまだにサンプルの提供を受けていない」と指摘、さらに「どの国も、ウイルスの発生源である可能性がある施設などへの立ち入りができていない」と研究所の国際調査団による調査と公開を求めた。

 ポンペオ氏は、新型コロナについて早期に世界保健機関(WHO)に通告することを怠ったと中国政府を非難、WHOも、昨年12月に感染の拡大について把握していながら、世界に知らせなかったと責任を追及した。

 ポンペオ氏は「国際社会の一員でいたいなら、確かな情報を共有し、透明性を確保し、オープンである義務を果たすべきだ」と発生源をめぐって中国がうその情報を拡散してきたことを非難した。

 中国政府は当初、新型コロナは、武漢の海鮮市場で売られていた野生動物から突然変異によって発生し、人に感染したと説明していたが、その後、これを否定、発生源は市場ではないとの見方を明らかにしている。

 ポンペオ氏は「武漢ウイルス研究所だけでなく、中国内の複数の研究所でこれらの病原菌が研究されている。これらは、流出事故が起きないよう安全に管理されることが重要だ」と述べ、安全性の確保を中国政府に要求した。

 また、感染拡大への対処を誤ったことで、いずれ中国の責任を問うことになると、中国に対して今後何らかの行動を起こす可能性を示唆した。

 WHO加盟国は国際的な規則で、病気の発生について24時間以内に警告することが求められているが、中国は数週間にわたって通告を怠ったとされている。

 ポンペオ氏によると、通告をした後も中国は重要な情報の提供を拒否、「この病気の危険性に関する情報を隠蔽(いんぺい)し、中国全域に拡大するまで1カ月間、人から人への感染について公表しなかった。新たなサンプルの試験の停止を命じ、既存のサンプルを破壊した」と中国の対応を強く非難した。

 WHOも1月に間違った情報を提供し、中国は感染拡大に対処しており、人から人には感染しないと発表していた。当時、WHOの専門家らは、移動は制限されるべきでないと述べていた。