中国軍事専門家が南シナ海の米艦へ電磁攻撃を
中国の軍事専門家が、中国軍は殺傷力のない電磁パルス兵器、レーザー兵器を使用して、南シナ海から米艦艇を排除すべきだと訴えていることが明らかになった。中国共産党系の環球時報が17日、報じた。
中国軍ミサイル部隊に所属していた軍事専門家の宋忠平氏は、中国軍は、電磁パルス兵器などの先進兵器で、米艦艇の航行に対抗することが可能だと指摘。通常兵器を使用したり、2018年のように米艦への体当たりを試みたりすることは、武力衝突を引き起こす可能性があり、いい方法とは言えないと指摘した。
中国軍は先月、グアム近海で米軍の対潜哨戒機P8にレーザーを照射するという危険な行動を取ったばかり。2年前には、アフリカ・ジブチの中国軍基地から米軍の輸送機C130がレーザー照射を受けた。
この報道があった17日、米太平洋艦隊はツイッターで、セオドア・ルーズベルト空母打撃群と、強襲揚陸艦アメリカを中心とした遠征打撃群が南シナ海で演習を行うことを発表した。
太平洋艦隊の発表によると、二つの打撃群が参加するこの演習では、飛行訓練、防空システムのテスト、水上支援訓練などが実施される。巡洋艦バンカー・ヒル上では、海兵隊による乗船、捜索、拿捕の訓練も実施される。
大規模な軍事演習は、南シナ海の90%の領有を主張する中国を牽制(けんせい)するためのもの。環球時報は、空母が参加する作戦はこの1週間で3度目で、米艦艇はこの海域に「不法侵入」していると報じた。
米国防総省は、この海域は公海と繰り返し主張、「航行の自由作戦」を何度も実施している。
最近では、10日にミサイル駆逐艦マッキャンベルが西沙(英語名パラセル)諸島周辺を航行、13日にはアメリカと沿海域戦闘艦「ガブリエル・ギフォーズ」がこの海域を航行した。
宗氏は、電磁パルス兵器、レーザー兵器で、「目に見える紛争を起こさず」に一時的に米艦を無力化でき、「強い警告を送ることができる」と指摘。P8へのレーザー照射は、中国艦艇に接近し情報収集を繰り返し実施したことに対して行われたものだと主張した。宗氏は中国軍系のテレビ局「鳳凰衛視」でこのレーザー照射について、「いい例であり、もっと使えるはずだ」と述べた。
アナリストらは、この発言について、中国軍が南シナ海で何らかの挑発的行動を取る用意のあることを示しているのでないかとみている。






