社説
引きこもり、孤立させぬ支援の体制を
引きこもりの深刻さを思い知らされる事件が相次いでいる。元農林水産事務次官(76)が44歳の長男を包丁で刺殺した事件では、被害者の引きこもりや家庭内暴力が背景にあった。 なぜ、早く外部に支援を求めなかったのか。責任感の…
羽生九段新記録、令和の時代も活躍に期待
将棋の羽生善治九段が、通算勝数を1434勝に伸ばし、故大山康晴十五世名人の記録を27年ぶりに更新して歴代単独1位を達成した。 これまでも数々の記録を残してきた羽生九段が、またもや偉大な記録を打ち立てたことをたたえたい…
天安門事件30年、民主化要求は抑えられぬ
中国の首都北京の天安門広場やその周辺で民主化や腐敗撲滅を求めた学生や市民に対して人民解放軍が発砲し弾圧、多数の死傷者が出た天安門事件から、きょうで30年を迎える。 この事件で中国は国際社会から激しい批判を浴びたが、中…
インド太平洋戦略、日米は地域安定に貢献せよ
シャナハン米国防長官代行はシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」で、新たなインド太平洋戦略を発表した。 他国の主権を無視した中国の威圧的行動に対して「ネットワーク化された安全保障構造」の構築を目指すとしている。…
北方領土、露の軍事拠点化は許されない
日露両政府は東京都内で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開き、北朝鮮の非核化に向け連携を確認するとともに防衛交流強化で一致した。 だが、日本固有の領土である北方領土が返還されない限り、ロシアとの信頼関係の構築は困…
日米同盟、地域の平和へ結束強化を
令和初の国賓として4日間の日程で来日したトランプ米大統領は最終日、安倍晋三首相と共に海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)を訪れ、停泊中のいずも型護衛艦「かが」に乗艦した。 米大統領の自衛艦乗艦や、日米首脳がそろっ…
韓国軍単独訓練、対北抑止弱める危険行為
韓国が自ら北朝鮮への抑止力を弱めていると言われても致し方あるまい。韓国軍は単独で4日間にわたって災害やテロなど有事を想定した大規模合同訓練「乙支太極演習」を行った。米国と合同で行ってきた定例の指揮所演習「乙支フリーダム…
欧州議会選挙、統合維持し台頭勢力と調整を
欧州連合(EU)の欧州議会選挙が行われ、中道右派・左派の主流2会派の議席が初めて過半数を割り込んだ。 しかし、親EU派は依然、各派合わせて多数を占めていることから、伸長したEU懐疑派の主張も問題提起として統合維持に向…
川崎通り魔、規範意識高め凶悪犯罪防止を
川崎市多摩区の小田急線登戸駅周辺で、スクールバスを待っていた小学生ら19人が男に次々と刺され、小学6年女児と別の児童の父親である外務省職員が死亡した。襲撃された子供たちが味わった恐怖と苦痛を思うと激しい怒りを禁じ得ない…
トランプ氏来日、令和時代も緊密な日米関係を
トランプ米大統領が令和最初の国賓として来日した。 皇居では天皇、皇后両陛下と会見した。天皇陛下は「私の即位後の最初の国賓として大統領をお迎えできることをうれしく思います」と述べられた。新たな時代において、日米両国の緊…
英首相辞意、EU離脱で問われる国家理性
メイ英首相が欧州連合(EU)離脱をめぐる混迷の責任を取り辞意を表明した。7月までに後継首相が決まる。 この問題では、2016年6月に国民投票でEU離脱が決まって以降も、国民の分断は深まっており、誰が後継となっても困難…
大麻の危険性、誤った情報に惑わされるな
東京都世田谷区の自宅で大麻を所持していたとして、関東信越厚生局麻薬取締部は、大麻取締法違反(所持)容疑で、アイドルグループKAT-TUN(カトゥーン)の元メンバー田口淳之介、女優の小嶺麗奈両容疑者を現行犯逮捕した。 …
日韓外相会談、韓国の誠意ある対応が必要
河野太郎外相はパリで、韓国の康京和外相と会談した。この中で韓国人元徴用工問題について、1965年の日韓請求権協定に基づく仲裁委員会の設置に応じるべきだとの日本側の立場を説明。早急に解決策を講じるよう求めた。 日本は仲裁…
認知症大綱案、安心して住める環境整備を
政府は新たに策定する認知症対策大綱の原案をまとめ、70代の人口に占める認知症の人の割合を2025年までに現状より6%減らす数値目標を初めて設定した。 6月に関係閣僚会議を開催し、大綱をまとめる。 予防と共生の二つを柱…
ウクライナの新大統領は欧米との結束を
4月のウクライナ大統領選で当選したコメディー俳優のウォロディミル・ゼレンスキー氏が大統領に就任した。 ゼレンスキー氏は大統領選決選投票で73%を得票して圧勝した。既存政治家への不満が高まる中、国民は政治経験のないゼレ…
1~3月期GDP、内需の弱さ改めて浮き彫りに
喜べぬどころか、逆に心配が深まった――内閣府が発表した2019年1~3月期の国内総生産(GDP)である。 実質年率2・1%のプラス成長は、輸出以上に輸入が減少した計算上の結果で、実態はそれだけ内需の弱さを浮き彫りにし…
裁判員裁判10年、辞退率の低下へ改革は急務
刑事裁判に一般国民が参加する裁判員制度がきょう、2009年開始から10年を迎えた。 この制度は今世紀初頭から始まった司法制度改革の目玉の一つだが、裁判員の辞退率の高さや負担の重さなど課題が少なくない。制度の意義を再確…
仁徳陵世界遺産、古代を知って現代に繋ぐ
仁徳天皇陵(大山古墳)を含む「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録される見通しとなった。令和への御代替わりから間もない時に、天皇や皇族の葬られる陵墓が初めて登録されるこ…
景気「悪化」、「後退局面」の可能性高まる
緩やかな拡大を続けていた景気は、既に「後退局面入り」している可能性が大きい――まだ断定はできないが、3月の景気動向指数をはじめ、最近発表される経済指標はそれを裏付けつつある。 景気動向は10月予定の消費税増税の実施判…
徴用工対策「限界」、韓国政府は無責任過ぎないか
日本の統治下で強制的に徴用されたとされる朝鮮半島出身者とその遺族らが日本企業を相手取って起こした賠償請求訴訟をめぐり日韓関係が悪化していることについて、韓国の李洛淵首相は「政府対応策で結論を出すには限界がある」と述べた…
強制不妊手術、「命の尊厳」に向き合え
旧優生保護法下で障害者らが不妊手術を強制された問題で、被害者に一時金を支給する救済法が成立し、請求の受け付けが始まった。被害者への償いは一歩前進したと言えるが、一時金の支給で済む問題ではない。 責任重い学会や医療界 …
米露改善合意、ウクライナ問題に禍根残すな
ポンペオ米国務長官がロシア南部のソチを訪れ、プーチン大統領とラブロフ外相と会談し、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合から悪化した米露関係を改善していくことで合意した。トランプ米大統領はロシア疑惑に区切りを付け、…
G20農相会合、日本は生産性向上に貢献を
20カ国・地域(G20)農相会合が新潟市で開かれた。採択されたG20農相宣言では、農業の生産性向上に向けた人工知能(AI)やロボット工学の活用促進、売れ残りや食べ残しで廃棄される「食品ロス」の削減などを打ち出した。 「…