コラム rss

現代版「出エジプト記」

地球だより  17日で独立7年目を迎えるコソボでは独立直後の熱狂は既に消え、多くの国民は経済的困窮からセルビア経由で、ハンガリー、オーストリア、そして最終目的地ドイツに向かって移動している。  コソボは人口約180万人の…

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移住者問題で最も難しいテーマ

 当方は前日、小説家の曽野綾子さんの産経新聞のコラムに対する朝日新聞らの批判について、自分の考えを書いたが、今回はそれに少し補足したい。移住者問題は単なる不足する労働力の輸入ではなく、当然のことだが、移住者の宗教、文化・…

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漆が持つ文化的粘質

地球だより  チャイナは磁器。ジャパンというと漆器だが、何も日本独自の工芸ではない。  漆文化は台湾やタイ、ミャンマーでも見られる。  とりわけ近代化の波に洗われないまま、古来のままの漆文化が現存するのがミャンマーだ。 …

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人質救出と情報力

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人人質事件では、2人(後藤健二氏、湯川遥菜氏)が犠牲となった。  この事件を受けて、「海外で邦人が危険な状態(人質事件など)に陥ったときに、陸上自衛隊の特殊作戦群や第1…

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マナーポスター

 東京メトロは、マナーポスターを月替わりで地下鉄車内に貼りだしている。平成26年度は、擬人化した動物を描いてマナー喚起に努めており、例年以上に目を引く。  「メイクするばしょ ここじゃないよ」と、車内での化粧を慎むよう呼…

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介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯の…

 介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護する人も65歳以上の「老老介護」世帯の割合が、2012年に5割を超えた。介護する側は、体力的にもなかなか厳しい。  先日、厚生労働省が社会保障審議会分科会で了承を得た…

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「春寒やかはりゆく世の神仕へ」(富岡九江)…

 「春寒やかはりゆく世の神仕へ」(富岡九江)。「春寒」については、歳時記に「春が立って後の寒さをいう。余寒というのと大体同じであるが、言葉から受ける感じが自ら違う」(稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』)とある。  同じよう…

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誤解される曽野氏の“棲み分け論”

 朝日新聞電子版を読んでいると、小説家の曽野綾子さんが産経新聞に掲載した2月11日付のコラムが批判されている。  曽野さんはコラムの中で、「日本でも移民を受け入れたらいい」と提案したうえで、「南アフリカの実情を知って以来…

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バチカンの「退屈な説教対策入門書」

 「最近の若者はどんなイベントに参加しても、最初に口に出す言葉は“面白かった”か、“退屈だった”かだ」とよく聞く。そして退屈なことは敬遠するようになる。  退屈な話の代表的な例は結婚式での関係者の祝辞だ。だらだらと新郎、…

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英国の民放ITVが制作し世界的なヒット番組…

 英国の民放ITVが制作し世界的なヒット番組となった「ダウントン・アビー2~華麗なる英国貴族の館~」がNHKで放送されている。伯爵家の相続問題とそれに絡むサイドストーリーの面白さもさることながら、宏壮な館を舞台にした華や…

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原子炉104基の危機管理

地球だより  米国では現在、65カ所に原子力発電所があり、合計104基の原子炉が稼働している。原子力は米国の総発電量の19%を供給している。これらの原子力発電所はすべて、1979年にペンシルバニア州で発生したスリーマイル…

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「沫雪(あわゆき)のほどろほどろに降り…

 「沫雪(あわゆき)のほどろほどろに降り頻(し)けば平城(なら)の京(みやこ)し思ほゆるかも」。『万葉集』(1639番)の大伴旅人の歌。「沫雪」は「淡雪」のことだから、降ってもすぐ溶けてしまうような雪だ。「ほどろほどろ」…

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佐賀県の佐賀空港から飛行機に乗ると、眼下に…

 佐賀県の佐賀空港から飛行機に乗ると、眼下に有明海が見える。海原に広がっているのが海苔(のり)畑である。佐賀海苔の生産量は日本一。潮の干満の差は最大6㍍になり、それを利用することで、柔らかく、ほのかに甘い海苔ができるのだ…

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人民裁判

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」  「ある日、“補給闘争”に出ていた隊員たちが10人ほどの反動分子を引っ張ってきた。その中には老人と女性も入っていた。人民裁判が開かれ、殺す方法について意見が分かれたが、結局、棍棒(こ…

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「球春」到来、選手の息遣い

沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)  1月から2月にかけて、全国的に厳しい冬の季節だが、沖縄は「球春」を迎えている。今年は、サッカーJリーグ所属の13クラブとプロ野球9球団が沖縄でキャンプする。  1月中旬から9日間、…

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地震多発国のわが国の歴史を見ると、地震に…

 地震多発国のわが国の歴史を見ると、地震によって多くの命を奪われたことが何度もあった。しかし、そのつど悲嘆をバネに復興を遂げてきた。海洋研究開発機構と名古屋大の研究チームの今回の発見は、地震による被害の軽減につながるだろ…

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法王、子供のお尻なら叩いていいの

 世界に約12億人の信者を誇るローマ・カトリック教会の最高指導者、ローマ法王フランシスコは4日、一般謁見の際、子供を持つ一人の信者から「子供を叩くことは許されますか」と聞かれた。子供好きで知られるフランシスコ法王は、「子…

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「イスラム国」掃討阻むオバマ氏

米コラムニスト チャールズ・クラウトハマー トルコの協力がカギ ヨルダン単独の攻撃は危険  【ワシントン】「イスラム国」は、何のために捕獲したヨルダンのパイロットを焼殺したのだろうか。ヨルダンを紛争の泥沼に引きずり込んで…

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朝日新聞は先月5日に渡辺雅隆社長が行った…

 朝日新聞は先月5日に渡辺雅隆社長が行った記者会見と「信頼回復と再生のための行動計画」公表で、社の存亡にかかわる信頼失墜を招いた慰安婦虚報など一連の報道不祥事のケリをつけたかった。誰よりも幕引きを望んだのは当の朝日である…

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いいことずくめの季節

地球だより  フィリピンでは昨年末から涼しい気候が続いている。外に出るだけで汗が吹き出す、サウナのような南国の暑さがすっかり影を潜め、まるで違う国に住んでいるかのような錯覚に陥る。  マニラ首都圏でも夜になると20度前半…

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健康のことを考えて、ふだん使っている駅より…

 健康のことを考えて、ふだん使っている駅よりも一つ手前の駅に降りてみた。そこからだと目的地まで少し歩くが、初めての風景に接して新鮮な気持ちになった。  路地に書店の看板が見えたので入ってみると、いつも行っている店とは違う…

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アラブ諸国で今、教義論争が展開

 イスラム教スンニ派過激テロ組織「イスラム国」が人質のヨルダン空軍パイロットを生きたままオリの中で焼殺したシーンが世界に流れると、欧米諸国では「イスラム国を絶対に許せない」といった声が高まってきている。地上軍派遣に消極的…

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大学入試のシーズンに入り、東京ではターミナル…

 大学入試のシーズンに入り、東京ではターミナル駅の構内などで、受験のため地方から出てきたといった風の学生をよく見掛けるようになった。四十数年前の自分を思い出す。  先日発表された総務省の人口移動調査によると、東京圏の転入…

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