「球春」到来、選手の息遣い


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 1月から2月にかけて、全国的に厳しい冬の季節だが、沖縄は「球春」を迎えている。今年は、サッカーJリーグ所属の13クラブとプロ野球9球団が沖縄でキャンプする。

 1月中旬から9日間、昨シーズンJリーグの3冠に輝いたガンバ大阪が中城村(なかぐすくそん)でトレーニングした。昨シーズンJリーグ・ベスト11に輝いたFWの宇佐美貴史、パトリック両選手の鋭いシュートを間近で見ることができた。

 練習後、グラウンドの出口付近に設けられたゾーンで子供たちが色紙やボールを手に列をつくっていた。長谷川健太監督を筆頭にサインペンを持った選手全員が子供たちの前を通り、求められるサインにはすべて応じていた。

 大阪から見学に来ていた30代の夫婦は、「選手との距離が近く、息遣いが聞こえてきた。望んでいたサインはすべてもらえて幸せ」と満足そうだった。

 それ以外にも、GKの川口能活(FC岐阜)、MFの中村俊輔、DFの中澤佑二(横浜マリノス)など、これまで日本代表チームを支えた名選手のプレーが間近で見られるのはサッカーファンとしてはうれしい限りだ。

 一方、プロ野球では、2013年に国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏が横浜DeNAベイスターズの宜野湾キャンプを電撃訪問。6日は中畑清監督相手にピッチングを披露し、周囲を驚かせた。その翌日は、高橋尚成投手を相手にフリー打撃。その後は小学生限定のサイン会を実施した。ペナントシーズンでは見ることができないキャンプならではの光景だ。

 キャンプの魅力をどんどん外部に発信していけば、この時期の観光客も飛躍的に増えるに違いない。(T)