堀本 和博
安倍政権とのスタンスをそのまま反映した各紙のG20サミット評価
◆“揚げ足取り”の朝日 「まずは米中双方が納得できる自由貿易の原則を確認し、それに沿うよう促したのは現実的アプローチといえる」(産経6月30日付主張)。 「世界経済の持続的な成長には、各国が協調して自由貿易の推進など…
交番襲撃犯逮捕に大きな役割果たした防犯カメラに一切言及せぬ朝日
◆物足りぬ各紙の主張 地域の安全を守る要である日本の交番制度は、住民に安心を与える警察業務の成功例として海外でも知られ、取り入れる国も出てくるなど注目されてきた。 そんな交番の警察官が襲われ重体に陥り、拳銃を強奪され…
裁判員制度10年、量刑など踏み込んだ主張の産経と及び腰だった朝日
◆各紙とも肯定的評価 「裁判に『国民の健全な社会常識』を反映させるという制度導入時の狙いは確実に浸透していると言えるのではないか」「裁判がはるかに分かりやすくなったのも確かだ」(毎日・20日付社説。以下、日経と朝日・同…
祝意抜きで持論を展開し天皇陛下御即位を首相批判に政治利用する朝日
◆期待と展望を掲げる 「令和の時代が動き出した。新天皇陛下が即位されたことを、心からお祝い申し上げる」(読売・2日付社説。以下、各紙同、朝日と日経は1日付)、「日本の国柄の最大の特徴は、天皇と国民が共に歩み、長い歴史を…
自民補選2敗、辺野古移転への反対にも丁寧な説明の継続求めた読・産
◆「政権の緩み」を指摘 「衆院補欠選挙での2敗は、政府・自民党にとって痛手だ」(読売・22日付社説)、「支持基盤の弱い地域だったとはいえ、与党有利とされる補選での2敗は『取りこぼし』ではすまされない」(日経・同)、「自…
大阪都構想に示された民意にも議論促すばかりの朝・毎と変わらぬ読・産
◆的確だった毎日社説 7日投開票の統一地方選前半戦の最大の焦点は、大阪維新の会が大阪都構想への再挑戦を訴えて仕掛けた大阪ダブル選に対する府民の審判であった。これについては後述し、まず大阪ダブル戦にすっかり食われた形とな…
イチロー引退、選手と観客の思いが凝縮する幸福な時間に共感した朝日
◆各紙一斉に功績称賛 「数々の金字塔を打ち立てた偉大な野球選手が、バットを置いた。輝かしいプレーは多くの人々の記憶に残るだろう」(読売・社説)。「平成という一時代に日本のプロ野球から雄飛した大リーグで縦横無尽に活躍し、…
震災8年、若い世代の復興への前向きな取り組みに焦点当てた毎日・産経
◆総論的確だった日経 発生から平成としては最後となる11日で8年を迎えた東日本大震災。死者、行方不明者など2万2100人を出し、原子力発電所の事故が重なった福島県では今も4万人以上(岩手、宮城、福島の被災3県で約5万2…
天皇陛下御在位30年で祝意と感謝伝えた産経、象徴の在り方問う日経、毎日
◆国民に感謝のお言葉 ともどもに平(たひ)らけき代(よ)を築かむと諸人(もろひと)のことば国のうちに充(み)つ ◇ この1月7日に即位30周年を迎えられた天皇陛下の御在位30年を祝う政府主催の記念式典が2月24日に、…
自民に憲法改正の取り組みを強め選挙で訴えるよう求めた産経と小紙
◆憲政の王道説く読売 なるほど、うまく付けたものだ、と思わず感心してしまった。10日の自民党大会を解説する特集記事の見出しである。読売の「鬼門選挙 首相必勝期す」(11日付「スキャナー」)に対して、朝日が「自民、亥年の…
大坂なおみ選手の世界ランク1位に時代の目撃者としての幸福を語った産経
◆快挙を称賛する各紙 日本人がノーベル賞を受賞したり、スポーツや芸術分野などで世界最高位を獲得した際の各紙論調を論評することほど楽しく気持ちいいことはない。称賛のほとんどに共感して盛り上がるのはサポーターのごとし。腕に…
韓国大統領の「元徴用工」発言に公明党の山口代表ですら批判を展開
◆解決の責任は韓国に いわゆる韓国人「元徴用工」の訴訟をめぐる韓国最高裁判決によって生じた韓国の国際法違反状態。その是正を求める日本に対する文(ムン)在寅(ジェイン)韓国大統領の年頭会見発言(10日)が、険悪と言われる…
平成最大の失策として天安門事件後の「天皇陛下訪中」を挙げた産経
◆「停滞」「敗北」の30年 年が改まり、平成最後の年の初め元日の新聞論調(社説や主張)はいつもの年でも、その年の一年を展望する視点から日本と世界を論じるものが多いが、今年はさらに平成の30年を総括した上で今年を論じたも…
平成最後の天皇誕生日に「天皇とは」を説く産経の洞察に富む「主張」
◆一般参賀の人出最多 「この20年、長い天皇の歴史に思いを致し、国民の上を思い、象徴として望ましい天皇の在り方を求めつつ、今日まで過ごしてきました」(平成21〈2009〉年11月。即位20年に当たり) 「譲位の日を迎…
米政権の中国製通信機器締め出し包囲網に各紙、中国同情論は皆無
◆日本政府も米に同調 政府は10日に、情報漏洩(ろうえい)やサイバー攻撃など国の安全保障や防衛上の懸念が指摘されることから、各府省庁や自衛隊などの使用する情報通信機器の調達先について中国企業を締め出す方針を打ち出した。…
大阪万博決定でまず総花的なテーマの中身の明確化を求めた読、朝、産経
◆経済牽引の役割期待 「これまでの常識を打ち破る、世界の課題解決を実現させる万博にしたい」(松井一郎大阪府知事)。 パリで23日に開かれた博覧会国際事務局(BIE)の総会で、2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪…
日米のインド太平洋構想で中国「一帯一路」の問題点をスルーした毎日
◆アジア重視示した米 会談で「日米同盟はかつてないほど強固だ」と強調する安倍晋三首相に、米国のペンス副大統領は「自由で開かれたインド太平洋を実現したい」と持ち掛けた。安倍首相と来日したペンス氏は「自由で開かれたインド太…
火の出る舌鋒で日中の「ムードに流された関係改善」を危ぶんだ産経
◆朝日さえ醒めた見方 「競争から協調へ、日中関係を新しい時代へと押し上げていきたい」という安倍晋三首相の呼び掛けに、中国の習近平国家主席は「中日関係は曲折を経験したが、双方の努力で正しい軌道に戻り、前向きな勢いを見せて…
安倍首相の予定通りの消費税率引き上げ表明に総じて肯定的な各紙論調
◆積極的に評価の読売 「来週の秋の大運動会は予定通り開催します」。 日経の1面コラム「春秋」(16日付)はこんなお知らせが回ってきた気分だと言う。「中止の告知ならともかく、予定通りというのにあえてアナウンスに及ぶとは…
本庶氏ノーベル受賞で日本の基礎研究の現状に警鐘を鳴らす産経・毎日
◆「免疫療法」に道開く ユーラシア大陸の北西の果てスカンジナビア半島から2日、朗報が飛び込んできた。ノーベル賞週間の皮切りとなる医学生理学賞に京都大学特別教授の本庶(ほんじょ)佑(たすく)氏が選ばれた。 人間の体には…
沖縄知事選で「辺野古」を争点とする朝日・産経とあるべき姿を説く読売
◆保革一騎打ちの構図 自民、公明、維新など4党が推薦する佐喜真淳・前宜野湾市長と、共産、立憲民主、自由など「オール沖縄」が擁立した玉城デニー・前衆院議員の事実上の保革一騎打ちとなった沖縄県知事選挙(13日告示)は30日…
辺野古埋め立て移設の承認撤回で沖縄県の手法を疑問視する読、産経、小紙
◆何が何でも移設阻止 沖縄県による承認の「撤回」と「取り消し」。いったい何が違うのか。米軍普天間飛行場(沖縄・宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、沖縄県は先月末に、仲井真弘多前知事が行った辺野古沿岸部の埋め立て承認を…
日中条約40年、政府のこれまでの対中政策の誤りを指摘した読売・産経
◆改善傾向の両国関係 1978年の日中平和友好条約締結から、この12日で40年の節目を迎えた。安倍晋三首相と中国の李克強首相は、この日に合わせて祝電を交換。その中で安倍首相が「(両国が)協力を深め、国際社会が直面する諸…