浅野 和生
平成国際大学法学部長。慶應義塾大学大学院法学研究科修了、博士(法学)。日本選挙学会理事、日本法政学会理事。著書に『親台論』(ごま書房新社)、『1895-1945 日本統治下の台湾』(展転社)など。
広辞苑「日中共同声明」解説に誤り
平成国際大学教授 浅野 和生 国交締結ではなく正常化 台湾の帰属でも事実を誤認 「辞典といえば広辞苑」「日本語辞典の代名詞」とは、去る1月12日に10年ぶりの改訂新版が出た広辞苑の帯のうたい文句である。出版社も商売だか…
より良い日本国憲法実現へ
平成国際大学教授 浅野 和生 改正は国民の継続的課題 重要なのは成功体験持つこと 日本国憲法施行から満70年を経て、ようやく憲法改正が現実の議論の対象となってきた。 国立国会図書館が発表した「諸外国における戦後の憲法…
紫禁城の主としての習近平
平成国際大学教授 浅野 和生 「独裁」「人治」の国、中国 文化・思想も共産党の指導下 北京を訪問したトランプ米大統領を歓待した習近平国家主席は、11月8日、紫禁城を我が物として案内し、清朝皇帝の宮殿で夕食を振る舞った。…
中華民族の夢と台湾の悲哀
平成国際大学教授 浅野 和生 完全統一目指す習主席 抹消される自由・民主・自立 第19回中国共産党大会の政治報告(10月18日)で習近平は、台湾海峡の将来について、香港、マカオと台湾とを同列に置く「港澳台工作」の枠組み…
憲法改正へ守勢から攻勢に
衆院選大勝 安倍政権への提言 平成国際大学教授 浅野和生 東アジアの安全保障情勢が緊迫している。北朝鮮の核開発に加えて、強軍と強国で中華民族の夢実現を目指す習近平の中国を見れば、近い将来に緊張が緩和される可能性は小さい…
台北からナポリ、東京五輪へ
平成国際大学教授 浅野 和生 大成功の「台北ユニバ」 台湾は「台湾」と表記すべし 8月31日午後4時、台北市の総統府前を出発した「世大運英雄大遊行」の隊列は、1時間半をかけて市内を横断し、台北市政府前に到着した。蔡英文…
スマホの光から灯火の下へ 、青少年を読書に誘おう
成国際大学教授 浅野 和生 脳の発達にも重大な影響 「灯火親しむ候」になろうとしている。心地良い秋の夜長に、読書に没頭して時が移るのを忘れるというのは、まことに人間らしい、価値あるひとときである。そして、文字の世界を通…
蒋経国評価で歴史認識対立
平成国際大学教授 浅野 和生 戒厳令解除30年の台湾 民主化の実上げた李登輝氏 去る7月15日は、台湾における戒厳令解除から30周年の記念日であった。台湾では記念イベントが行われ、さまざまな論評が報じられた。 そうし…
香港の一国二制度支える台湾
平成国際大学教授 浅野 和生 「人民化」されぬ香港人 30年後には中国の香港化も 20世紀日本の中国研究の泰斗、桑原壽二氏は、香港返還直前の1997年6月27日、「香港返還と日中関係」と題する論説を発表し、中華人民共和…
英国下院総選挙の意味
平成国際大学教授 浅野 和生 解散権復活し民意問う 解かれた任期固定法の呪縛 4月18日、英国メイ首相が下院を解散して6月8日に総選挙を実施する緊急声明を発した時、封鎖されたと思われていた解散総選挙が英国で復活した。 …
台湾の主人公は誰なのか
平成国際大学教授 浅野 和生 「島に来た順」を忘れず 就任1周年の蔡英文政権 来る5月20日で、台湾の民進党・蔡英文政権が就任から1周年を迎える。 1年前の就任演説で、蔡英文総統は台湾が必要とする「問題解決」のため、…
「スマホ1日6時間」の衝撃
平成国際大学教授 浅野 和生 青少年の日常生活に支障 用時間抑制に蛮勇を揮え アップル社のiPhoneが日本で発売されたのは2007年7月、あれから今年で10年になる。Androidのスマートフォンは、それより2年ほど…
EU離脱へ進む英国の現状
平成国際大学教授 浅野 和生 栄光の歴史 融解を阻む 健全な独立国として存続へ 欧州連合(EU)離脱決定以後初めて、英国の移民の入出国数が発表された(2月23日報道)。それによると、ポーランド、チェコ、エストニア、ハン…
トランプ氏の大統領令の正当性
平成国際大学教授 浅野 和生 公約実行のための手段 印象操作行うマスメディア トランプ大統領が、1月20日の就任以来、選挙戦中の公約を実現させるために次々に大統領令を発したことで世界の耳目を集めた。トランプ大統領にして…
「海の長城」で「中国の夢」阻め
平成国際大学教授 浅野 和生 西太平洋進出狙う中国 日台を結ぶ島嶼線が要害に 本年秋、中国共産党第19回全国代表大会が開催される。「中華民族の偉大な復興」を掲げた習近平が総書記に再選されれば、あと5年でその「中国の夢」…
満70歳を迎えた日本国憲法
平成国際大学教授 浅野 和生 実態とずれた「前文」 公布時、周辺に国民国家なし 日本国憲法は満70歳を迎えた。日本国憲法の施行は1947年5月3日だが、公布は46年11月3日、文言が確定して国民に周知されたことをもって…
英国は80年代を再現できるか
平成国際大学教授 浅野 和生 女性首相選び保守党結束 労働党は左派党首再任で混乱 9月24日、イギリス労働党は、党大会でジェレミー・コービン党首の続投を発表した。これによって、労働党は波乱の時期を迎えることになった。 …
結党30年迎える台湾・民進党 蔡主席の下、団結・再生
平成国際大学教授 浅野 和生 包容力ある政治で前進を 台湾の蔡英文政権の与党、民主進歩党が、この9月で結党30年の節目を迎える。この30年は、台湾の民主化完成、政権交代を含む普通の政党政治が実現する過程であった。 さ…
さらなる主権者教育が必要に
平成国際大学教授 浅野 和生 啓蒙活動は一定の成果 18歳選挙権導入した参院選 去る7月10日に投開票が行われた第24回参議院通常選挙は、70年ぶりに選挙権が拡張された歴史的な選挙であった。このため、投票前には、総務省…
英国はEU離脱を望んだのか
平成国際大学教授 浅野 和生 国民の声は始終不安定 やり直しが難しい国民投票 「民の声は天の声というが、天の声にもたまには変な声がある」とは、1978年11月、自民党総裁予備選挙で大平正芳に敗北した福田赳夫首相の弁であ…
「生活レベルでの判断」を懸念
2014年9月のスコットランド独立住民投票において、分離派の大きな声と、スコットランド議会でのスコットランド民族党(SNP)の過半数という情勢でも、小差で残留が決まったように、イギリスは、先の見えない変革には容易に踏み…
「一つの中国」の呪縛を解け、蔡英文台湾総統が就任
平成国際大学教授 浅野 和生 日米台安保協力強化の好機 中国が主張する「一つの中国」原則とは、台湾も中国の一部であると認めることである。中国は、「一つの中国」原則の承認が、中台間の交渉、交流の基礎であると繰り返し表明し…
台湾・国民党の質的変化
平成国際大学教授 浅野 和生 主席選で教義派が勝利 主流の世俗派破った洪女史 「台湾国民党に初の女性主席」とは、3月27日の読売新聞朝刊が9面で、国民党主席選挙の結果、洪秀柱が、1919年の結党以来初の女性主席に選出さ…