中国 米との生物兵器会合を中止


高まる開発への疑惑

 中国が昨年、生物兵器開発の懸念をめぐる米当局者との会合を中止していたことが、兵器開発に関する合意順守をめぐる米国務省の年次報告で明らかになった。

23日、パリ郊外ランブイエの警察署で刺殺事件が起きた後、道路を封鎖する警官(AFP時事)

23日、パリ郊外ランブイエの警察署で刺殺事件が起きた後、道路を封鎖する警官(AFP時事)

 会合は、新型コロナウイルスの流行を受けてオンラインで実施される予定だったが、中国側の「技術的理由」から「延期」された。技術的理由の具体的な内容は明らかにしていない。

 米中は生物兵器禁止条約(BWC)順守をめぐって2017年から毎年会合を開いてきたが、会合の中止は初めて。これを受けて国務省では、生物、毒物を使った兵器開発に中国が取り組んでいるのではないかという懸念が高まっている。

 今年の報告には、中国に対する生物兵器の開発疑惑が米国で高まっていることを示す兆候が見られた。昨年の報告では、中国の微生物研究が、軍に応用される「可能性」があるとされていたが、今年の報告では、「可能性」が削除されている。これは、中国の極秘研究に関して新たな情報を入手したことを示している。

 報告は、中国が生物兵器の開発を極秘に進めているとみられると指摘、「米国は、中国軍の医療機関の毒物研究・開発に関して、BWC順守に懸念を抱いている。軍事転用可能であり、生物兵器として使用される可能性がある」と警告している。

 BWCは加盟国に対し、「いかなる状況でも」、平和目的でない微生物剤、生物剤の製造、生物剤、毒物を利用した兵器、その運搬手段の製造を禁止している。中国は1984年にBWCに署名している。

(ワシントン・タイムズ特約)