台湾認識めぐる日中の同床異夢


浅野 和生

平成国際大学教授 浅野 和生

 5月上旬まで、国内の新型コロナウイルス感染拡大を完全に抑えこんでいた台湾で、その後、感染が急拡大し死者が増加する事態となった。すると中国は、中国製ワクチンの台湾への供与を申し出たが、台湾人の多くはその使用を望まない。中国の台湾併呑(へいどん)に向けた政治的思惑は明らかだし、そもそも中国製ワクチンは信用できないからである。だから台湾政府は中国製ワクチンを拒否した。

 台湾政府は、国産ワクチンの開発を進める一方、欧米からのワクチン入手を急いだが、中国の妨害で思うに任せない事態に陥った。


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