ISは依然、重大な脅威 カタール外相が警鐘鳴らす
中東カタールのムハンマド外相はワシントン・タイムズとのインタビューで、過激派組織「イスラム国」(IS)について、戦闘では敗北を続けているが、依然として中東地域にとって重大な脅威だと主張。米国とアラブ同盟国が、宗教的過激主義を生み出している根本原因に対処しない限り、ISが再び台頭する可能性があると警鐘を鳴らした。
ムハンマド氏は、ISに対する軍事的勝利を評価する一方で、復活の可能性があり、「殲滅(せんめつ)するには」イデオロギーを粉砕しなければならないと、軍事力に頼る現在のISへの対応の限界を強調した。
その上で、ISの一部は、一般住民の中に溶け込むとみられ、各国は「国民の動向に注意を払い、国民が何を求めているかに敏感になって、(ISのような)組織を生み出す隙間ができないようにしなければならない」と、各国での対応の重要性を訴えた。
カタールは昨年から、ハマス、ムスリム同胞団などイスラム過激派組織を支援し、イランとも密接な経済的関係を築いているとサウジアラビアなどに強く非難されてきた。一方で、イランにかけての海域の大規模ガス田から産出する天然ガスで近年、経済は好調だ。
この点についてムハンマド氏は、これらの非難は、近年のカタールの経済的発展を封じ込めるために意図的に誇張されたものと主張、カタールは「不公正な攻撃にさらされており、…(サウジなどは)この地域に無用な混乱を招いている」と反論した。
トランプ米大統領が破棄を求めているイラン核合意の是非については、明確な回答を避けながらも、「イランは隣国であり、地域全体の安全が対立によって影響を受けないようにし、イランが地域の不安定要因にならないようにする必要がある」と平和的な解決を訴えた。
(ワシントン・タイムズ特約、ガイ・テイラー)