アジア睨み戦略的に沖縄振興
宮腰光寛 沖縄・北方、少子化担当相
宮腰光寛沖縄・北方、少子化担当相はこのほど、世界日報社を含む報道各社のインタビューに応じ、沖縄振興策や北方領土対策、少子化対策などについて語った。
今後の沖縄振興計画の在り方は。
まずはこれまでの取り組みの検証が必要だ。次期振興計画は、知事、市町村長をはじめ、沖縄の考えを聞きながら、多角的に検討していく。
沖縄経済の好調が近年続いているが、振興策の注力点に変化が出るのか。
これまで不利だとされてきた本土から遠い地理的条件は、成長するアジアに着目すればむしろ有利な場所に位置している。先日、シンガポールで日本の食品商社の方に聞いた。中部地域の商社だったが、沖縄との輸送コストの違いは何とかならないか、と言われたくらいだ。
沖縄の抱える問題に対応し、その可能性をさらに伸ばしていく意味で、引き続き国家戦略として沖縄振興策を総合的・積極的に推進していきたい。
大型MICE施設計画について政府の立場は。
沖縄県では、大型MICE施設の基本設計にソフト交付金の活用を希望している。前提として根拠ある需要、収支、必要な受け入れ環境の具体的な見込み等が整理されていることが必要であり、引き続き県と協議し、適切に対応していく。
北方領土の返還推進運動のどこに力を入れていくのか。
返還運動にライフワークとして取り組んできた。元島民の平均年齢が83歳という状況で、返還運動を若い方々に引き継いでいく、あるいは元島民の思いを国民的な世論の喚起につなげていくためには、今までと同じ方法だけでなく、ネットを使いSNSを通じて発信の充実を図ることも大事だ。
若者世代の関心をどう喚起していくか。北方領土問題の認知度アンケートで、20歳代は23・8%だったが、70歳以上は47・6%が認識している。より多くの若い世代が北方領土を直(じか)に見て、元島民の方々の話を聞くことが啓発として、また元島民の方々の記憶承継にも極めて有効だ。北方領土隣接地域への修学旅行を誘致する取り組みを今年度から強化している。
新たに共同経済活動専用の船を新調する考えは。
先日根室で、ビジネスミッションの関係でビザなし交流が一度できなくなったと聞いた。共同経済活動が現実になるに従って、別の渡航手段が必要になってくる。共同経済活動の進捗(しんちょく)の度合いを注視しながら、必要があれば、しっかり検討していく。
少子化対策で独自のカラーをどう打ち出すか。
少子化対策は効果が現れるまでに長い時間を要する。私としては、まずは待機児童の解消や幼児教育の無償化に全力で取り組みたい。また、地域の強みを生かした取り組みの強化を一層進めていく。さらに、子育てに優しい社会の実現のため、国・自治体のみならず、あらゆるセクターを巻き込んだ子育て応援コンソーシアムを活用し、社会全体で子育て応援の機運を盛り上げていきたい。