日台の連携強化で尖閣守れ 矢野義昭氏
世日クラブオンライン講演会
日本安全保障研究会会長 矢野義昭氏が講演
世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良〈ゆずる〉・近藤プランニングス)の定期講演会が21日、動画サイト「ユーチューブ」のライブ配信を通じて行われ、日本安全保障研究会会長の矢野義昭氏(元陸将補)が「台湾・尖閣有事~日本はいかに中国の侵略に対処するか?」と題して講演した。
矢野氏は、中国が尖閣諸島と台湾を「核心的利益」と呼び、「台湾統一は中華民族の根本的な利益」だと主張していることに触れ、「中国共産党にとって『祖国統一』は最優先任務の一つ。必要であれば武力も行使する」と指摘。
尖閣諸島周辺海域で、恒常的に航行を続ける中国海警局公船について、武装や艦艇の規模などは既に海上保安庁を上回っており、いざとなれば海軍の管轄に入る「準海軍」であるとし、「尖閣への脅威はいつでもあり得る。それは台湾(有事)と連動する」と危機感を示した。
防衛出動が遅れ、占領を許してしまった場合、「いきなり米海空軍が出てきて、奪還のために血を流すことは期待できない」と指摘。米軍はあくまで後方支援か情報提供しかできないのが現状だと述べた。
矢野氏は、尖閣を守るため、台湾との連携強化が必須であるとし、「情報交換やサイバーセキュリティー協力、米国並みの台湾関係法、武器供与まで踏み込むべきだ」と強調。その上で「最終的には、台湾の国家承認をし、国交回復して日台相互防衛条約の締結までしないと(日台の連携は)実体を持たない」と訴えた。