「自由民主」の党大会 人の集まりと表彰に復調

右肩上がりの優秀党員数

800

8日、第82回自民党大会で気勢を上げる安倍晋三首相(中央)と全国都道府県の女性代表ら

 例年1月に開催されることが多い自民党、民主党の党大会は、年末衆院選の関係で3月にずれ込んだ。その活況も政権交代を境に明暗を分けるが、政権に返り咲いて3回目の自民党は復調を示し、選挙で連敗した民主党は党の立て直しを期している。

 自民党の党大会は形式的な“シャンシャン大会”と言われてきた。が、同党大会の特徴は人の集まりや表彰ではなかろうか。機関紙「自由民主」には党大会の表彰名簿が見開き2㌻で載る。大会出席者数は会場にもよるが、下野から年々増えた(野党時代はグランドプリンスホテル赤坂、政権復帰後はグランドプリンスホテル新高輪)。

 自民党機関紙3月17日号1面の「第82回党大会」の記事によれば「大会には全国から党員・党友など3400人が出席」した。過去同紙に掲載された党大会記事を野党時代から拾うと、出席者は2010年1月24日の第77回党大会2600人、11年1月23日第78回党大会2700人、12年1月22日第79回党大会3000人、政権奪還し安倍政権発足後の13年3月17日第80回党大会3500人、14年1月19日第81回党大会3300人、前述した15年3月8日第82回党大会3400人だ。

 また、「党活動に精励し党勢拡大に著しい成果を収められた功績」で表彰される優秀党員、優秀党組織、友好団体、協力者のうち優秀党員の数が増えている。その多くは主に党末端支部の支部長や地方議員たちだ。

 10年党大会の優秀党員330人(優秀党組織81支部、友好団体141団体、協力者56人、以下同)、11年348人(89支部、132団体、53人)、12年380人(92支部、130団体、57人)、13年385人(94支部、135団体、54人)、14年414人(89支部、132団体、58人)、15年415人(90支部、136団体、59人)。

 党大会出席者や優秀党員の推移も党勢を表すバロメーターだろう。自民党は09年に政権を失い、10年党大会の出席者と優秀党員・支部の数値を谷間にして復調に向かった。野党に転落しても表彰の規模には党活動の裏付けがあり、一定の人の集いが保たれた人的要素が反転攻勢の加速度を増したことは疑いない。

 この点、民主党は政権時代に分裂や離党により相次いで人が散ってしまった。人にやさしい「共生社会」を掲げながら党内の結びつきが冷たかった矛盾は、野党になって一層のハンディーとなり海江田万里前代表時代の「反省・総括」が長引いた。

 ちなみに民主党も3月1日の党大会で4回目の「自治体議員表彰」を行った。「プレス民主」3月6日号によれば、10年以上の党籍、10年以上の議員歴があり「すでに引退、または次回選挙で引退することを表明している者を表彰する」もので、表彰人数は52人。名簿もベタ記事程度で足りてしまうが、今後その紙幅の広がり如何(いかん)は同党の再生と無縁ではないだろう。

解説室長 窪田 伸雄