ファーウェイは「国家権力の道具」

ルビオ米上院議員 制裁の恒久化に自信

ビル・ガーツ

ビル・ガーツ氏

 共和党のマルコ・ルビオ上院議員は記者(ビル・ガーツ)とのインタビューで、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は「国家権力行使の道具」であり、米国の安全保障にとって脅威だと改めて主張、米政権が課している取引の制限を法制化することに自信を示した。

 トランプ大統領は5月、国家安全保障上、リスクのある企業の通信機器を米企業が使用することを禁止する大統領令に署名。商務省はファーウェイを「エンティティーリスト(米政府の許可なく米国製部品を受け取ることが禁止される事業体の一覧)」に記載することで、米企業の取引を厳しく制限した。これにより、ファーウェイへの輸出は事実上できなくなった。

 ところがトランプ氏はこのところ、中国政府、米ハイテク企業双方から圧力を受け、ファーウェイへの制裁を緩和する意向を示している。

 上下両院の超党派グループが、制裁を恒久化する法案を提出したばかりで、ルビオ氏はそのグループの一員。「(ファーウェイは)民間企業の性格を持つが、世界の次世代通信規格5Gネットワークの支配を狙う中国政府の『熱心な支持者』であることは疑いない」と制裁の緩和に否定的だ。

マルコ・ルビオ上院議員

マルコ・ルビオ上院議員(UPI)

 さらに、共和、民主を問わず、制裁の法制化を支持する議員は多いと主張、「政権がエンティティーリストから(ファーウェイを)外したとしても、上下両院で拒否権を覆せるだけの票はあると確信している」と強気の姿勢を示している。

 複数のNGO(非政府組織)の報告で、ファーウェイの機器に「バックドア(裏口)」が設けられ、中国による情報収集が可能になっていると指摘されている。また、ルビオ氏によると、ソフトウエアの更新時にマルウエア(悪意あるソフト)を送り込むことも可能という。

 同氏は「ファーウェイは米国内で活動が許されるべきでなく、米企業による半導体やその他の部品のファーウェイへの販売を可能にすべきではない」と主張するが、米政権がファーウェイ制裁継続で一致しているわけではない。貿易推進派は交渉による制裁の緩和を支持、一方の安全保障を重視するグループは、制裁の強化を望む議会内勢力を支持している。

 ルビオ氏は「大統領はいずれ、どちらを支持するのかを決定しなければならなくなる」と述べた上で、「議会はこの問題に強い関心を持っている」とトランプ政権を牽制(けんせい)した。