中国の音響兵器で米外交官攻撃
非致死性も、脳に損傷
米情報・治安機関は、中国駐在の米外交官らが音響攻撃を受けているとみられる問題を調査しているが、中国の産業情報技術省の仕業であることは明らかだ。
同省は昨年11月15日の民間プロジェクトでの軍事技術の活用に関する報告で、「音波砲」に関するプロジェクトについて触れている。
この兵器は、中国広東省の東莞三基音響科技が製造した音波砲の派生型とみられている。
この報告によると「db2700音波砲は、音波砲、音波制御装置、DA2700型デジタルオーディオパワーアンプ、三脚ヘッド、音波砲制御システムの五つの主要部分から成る。特定の方向に強力な音波を飛ばすことができるdb2700音波砲は、近距離にいる人々を追い散らし、人に対する抑止力(100㍍)、遠方まで音を飛ばす、宣伝、警告(3~5㌔)などの利用が可能」という。
この兵器は「新しいタイプの、強力な音響を用いた非致死性機器に分類される」と報告には示されている。MP3プレーヤー、強力な指向性マイクが用いられ、最大3㌔先まで音声を飛ばすことも可能だ。
CBSニュースの報道番組「60ミニッツ」で17日、中国・広州で音響攻撃によるとみられる脳損傷を受けた外交官のインタビューが報じられた。
広州の米領事館の国務省警備職員、マーク・レンツィ氏は、アパートでおかしな音を聞いた後、夫人と共に脳に損傷を受けたと証言、「指向性があり、遠距離からの攻撃だった」と指摘した上で、この攻撃によって頭痛、記憶喪失、光への過敏症を患うようになったという。
レンツィ氏は、中国で狙われたのは、外交施設への電子的脅威を分析する極秘機器の使用に関わっていたからだとみている。
報道によると、国務省はこの攻撃を隠蔽(いんぺい)しようとしている。キューバの米外交施設でも同様の被害が報告されている。
香港紙「蘋果日報」が軍事専門家アントニー・ワン氏の話として伝えたところによると、中国の音響兵器は洗面器ほどの大きさで、1人で持ち運び可能だという。警察向け機器を専門とする民間企業が製造しているもので、米外交官のけがの原因は確認されていないが、中国なら音響兵器を「極秘に使用する」ことはあり得るのではないかと指摘した。











