野党指導者側近を拘束 ベネズエラ
「テロを計画」と政権側
反米左派マドゥロ大統領による強権政治が続く南米ベネズエラで21日、野党指導者グアイド国会議長の首席補佐官を務めるロベルト・マレロ氏が情報機関に拘束されたことが分かった。グアイド氏が同日、明らかにした。
ベネズエラ当局は、マレロ氏を「テロ容疑」で拘束したと発表、マドゥロ政権の転覆を狙ったテロ攻撃を計画していたと批判した。また、マレロ氏の自宅からライフルと爆発物を押収したと発表したが、グアイド氏は「当局によって捏造(ねつぞう)されたものだ」と主張している。
グアイド氏は、カラカス市内での記者会見で、「卑劣な脅しには決して屈しない」と強調、違法な拘束に抗議する反政府デモを行うと言明した。
マレロ氏を拘束した情報機関は「セビン」と呼ばれる組織で、反政府勢力の拘束や拷問などに関与してきたとされる。ベネズエラでは、これまでも多くの野党指導者が国家転覆罪などの容疑で拘束、収監されてきた経緯があり、グアイド氏の身辺にも当局の手が及ぶ可能性が出てきた。
一方、マレロ氏の拘束を受けて、グアイド氏を支持する米国のポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官は、マレロ氏の即時解放を要求。ボルトン氏は、マドゥロ政権に対する「より厳しい」追加制裁も示唆した。
(サンパウロ 綾村悟)