社説
築地から豊洲へ、日本の食文化支えた83年
「日本の台所」の東京・築地市場が83年の歴史に幕を閉じた。最終営業を終えた卸業者や仲卸業者ら築地市場と歳月を共にした関係者は万感の思いで別れを告げ、移転先の豊洲市場への引っ越し作業を開始した。 2年延期の弊害大きく …
米専門家提言、日本は同盟での役割拡大を
米国のアーミテージ元国務副長官やナイ・ハーバード大教授ら超党派の外交・安全保障専門家グループは、米政府の対日政策や日本政府の取り組みに関する提言「21世紀における日米同盟の刷新」を発表した。 防衛支出拡大に言及 知…
北米FTA見直し、米の保護主義政策拡大を懸念
米国とカナダは北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで大筋合意した。8月末に米国と合意に達したメキシコと併せ、3カ国協定の枠組みを維持した上で再交渉が妥結した。 新協定の名称は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA…
9月日銀短観、一段と強まる景気失速の懸念
日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業で景況感が3期連続で悪化した。 原油高や自然災害が企業心理を圧迫したためだが、米国と中国などとの貿易摩擦を警戒する声も増えている。企業の先行き不安…
内閣・自民人事、新たな国づくりへ挑戦せよ
第4次安倍改造内閣が発足し、自民党の役員人事も行われた。安倍晋三首相は、政権の土台と位置付ける麻生太郎副総理兼財務相や菅義偉官房長官、自民党の二階俊博幹事長らを留任させるとともに、閣僚の半数以上を初入閣させた。 首相…
本庶氏ノーベル賞、日本の医学の力を見せた
2018年のノーベル医学生理学賞は、免疫を抑制するタンパク質を発見し、がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につなげた京都大特別教授の本庶佑氏に授与されることが決まった。がんという難敵と闘って大きな成果を出し、日本の医学が…
玉城氏当選、国は辺野古移設を進めよ
沖縄県知事選挙で共産、社民両党など「オール沖縄」が推す前衆院議員の玉城デニー氏が当選した。玉城氏は故翁長雄志知事の後継として米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対し、国との対決姿勢を露(あら)わ…
都LGBT条例案、家族破壊に利用される
東京都は定例議会に、いわゆる「性的少数者(LGBT)」に対する差別禁止を盛り込んだ「オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例」案を提出した。成立すれば、公布と同時(一部は来年度)に施行される。 人権…
韓国慰安婦財団、解散なら未来志向の後退だ
韓国の文在寅大統領はニューヨークで安倍晋三首相と首脳会談を行い、2015年末のいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる日韓両政府間合意に基づき韓国が設立した「和解・癒やし財団」の解散を示唆した。合意は同問題の「最終的、不可逆的な…
日米首脳会談、相互利益の向上が重要だ
安倍晋三首相とトランプ米大統領が首脳会談を行い、2国間のモノの貿易を自由化する物品貿易協定(TAG)の締結に向けた交渉の開始で合意した。関税引き下げのほか税関手続きの円滑化などの交渉が日米間で本格化することになる。 …
首相国連演説、外交力試される戦後構造脱却
安倍晋三首相は国連一般討論演説を行い、自由貿易体制の強化への努力と「北東アジアから戦後構造を取り除くために労をいとわない」ことを強調し、特に北朝鮮の邦人拉致問題、核・ミサイル問題の解決へ最大の関心を示した。第2次世界大…
貴乃花親方退職、相撲協会は不断の改革を
大相撲の元横綱貴乃花親方が日本相撲協会に退職届を提出した。貴乃花親方は退職を決めた理由に、弟子の貴ノ岩が元横綱日馬富士に暴行された事件への協会の対応をめぐって内閣府へ提出した告発状の内容が事実無根であることを認めるよう…
ドーピング問題、ロシアへの処分解除は疑問だ
世界反ドーピング機関(WADA)が、国ぐるみのドーピング問題で資格を停止しているロシア反ドーピング機関(RUSADA)の処分解除を決めた。 だが、ロシアはいまだに国の関与を認めていない。処分解除には疑問が残る。 国ぐ…
仮想通貨流出、業界のずさんな体質改めよ
仮想通貨交換業者のテックビューロ(大阪市)が、システムへの不正アクセスを受け、70億円相当の仮想通貨が外部に流出した。 1時間余りで外部に 流出したのは、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインの3種類。顧客…
国際捕鯨委員会、保護と利用を両立させよ
国際捕鯨委員会(IWC)総会で、商業捕鯨再開を目指す日本の提案が否決された。 クジラ資源の持続的な利用を目指す日本の方針が受け入れられなかったことは残念だ。 商業捕鯨再開案を否決 日本はこれまで30年以上にわたっ…
安倍総裁3選、山積する課題に具体的成果を
任期満了に伴う自民党総裁選は、現職の安倍晋三総裁(首相)が石破茂元幹事長を抑えて連続3選を果たし、2021年9月まで3年間の追加任期を獲得した。国外では中国の拡張政策、北朝鮮の核・ミサイル開発、米中の貿易摩擦など緊迫す…
南北首脳会談、北のペースに乗せられるな
北朝鮮を訪問している韓国の文在寅大統領は、金正恩朝鮮労働党委員長と首脳会談を行い、合意文書「平壌共同宣言」に署名した。 だが最大の焦点である北朝鮮の非核化をめぐっては、実質的な進展があったとは言い難い。北朝鮮が本当に…
水陸機動団、抑止力高め地域安定に貢献を
陸上自衛隊の離島防衛の専門部隊「水陸機動団」が、米軍などと相次いで合同演習を実施している。 水陸機動団の運用を通じて抑止力を高めるとともに地域の安定にも貢献していくべきだ。 米軍と離島奪還訓練も 水陸機動団は離島が…
座間事件起訴、動機と手口を究明し再発防げ
戦後の犯罪史上に例を見ない猟奇的な凶悪事件の裁判が始まる。神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった事件で、東京地検立川支部は白石隆浩容疑者を強盗・強制性交殺人などの罪で起訴した。大量殺人はなぜ起きたのか、裁…
敬老の日、健康と生きがい保てる環境を
きょうは敬老の日。厚生労働省によると、100歳以上の高齢者は今月15日時点で前年比2014人増の6万9785人に上った。「人生100年」時代は確実に近づいている。 一方で、少子高齢化により労働力人口の想定を上回る減少…
沖縄戦訴訟、住民側の上告棄却は妥当
最高裁は、戦争末期の沖縄戦で犠牲になった住民の遺族らが国に謝罪と1人1100万円の損害賠償を求めていた訴訟で、住民側の上告を退ける決定をした。これによって、国の責任を認めなかった一、二審判決が確定した。 住民側の主張…
露軍事演習、中国との蜜月関係に警戒を
ロシア軍は極東とシベリア地区で冷戦後最大規模となる軍事演習「ボストーク(東方)2018」を行っている。 17日まで実施される演習には30万人が参加し、軍用機1000機、軍用車両3万6000台、艦船80隻が投入される。…
プーチン氏発言、到底受け入れられない提案だ
ロシアのプーチン大統領はウラジオストクで開かれた「東方経済フォーラム」の全体会合で、日本とロシアの平和条約について「年末までにいかなる前提条件もなしで締結しよう」と提案した。 プーチン氏が平和条約締結の期限に言及した…