社説
日印首脳会談、中国を念頭に連携強めよ
安倍晋三首相は、来日したインドのモディ首相と会談し、安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進するため、安全保障や経済の分野における連携強化を確認した。 2プラス2の新設で一致 モディ氏は2014年の首…
各党代表質問、国会で改憲への建設的論議を
衆院本会議で安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党代表質問が始まり、立憲民主党の枝野幸男代表、自民党の稲田朋美筆頭副幹事長、国民民主党の玉木雄一郎代表が質問に立った。首相は所信表明で憲法改正に意欲を示しており、与野党の…
新在留資格、議論深め精密な制度設計を
外国人労働者の受け入れを拡大する新たな在留資格の創設をめぐる議論が始まった。 このまま労働力不足が進めば国力の衰退は免れない。その一方で、将来の国のかたちにも関わる問題だけに拙速な議論は慎まねばならない。 単純労働に…
米艦と台湾海峡、国際法が認める航行継続を
米海軍の艦艇2隻が台湾海峡を航行した。米海軍のローガン報道官は「国際法にのっとった」航行で「自由で開かれたインド太平洋への米国の決意を示すものであり、今後も国際法が認めるあらゆる場所で、飛行、航行、作戦行動を実施する」…
日中首脳会談、注意を要する「一帯一路」協力
今年、日中平和友好条約発効から40年の節目を迎えた中、安倍晋三首相が中国を訪問して習近平国家主席や李克強首相らと会談した。 国際会議出席を除いた日本の首相訪中は7年ぶりとなる。一衣帯水の日中とはいえ、両国間に横たわる…
安田さん解放、一層のテロ情報収集力向上を
内戦下のシリアで武装勢力に拘束されたジャーナリストの安田純平さんが解放された。 安田さんは隣国トルコの入管施設で保護された後、日本に帰国した。無事に帰国できたことを喜びたい。 トルコとカタールが仲介 安田さんは20…
臨時国会開幕、建設的議論で具体的成果を
臨時国会が開幕し、安倍晋三首相が所信表明演説で「新たな国創り」に向けた決意を表明した。憲法改正、財政再建、外交などの重要懸案が山積している。 第4次安倍改造内閣で初の国会論戦となるが、与野党は希望ある将来の青写真を示…
米のINF離脱、中露の核脅威増に当然の対応
トランプ米大統領が中距離核戦力(INF)全廃条約を離脱する方針を決め、ロシアに通告した。これに対し、中国、ロシア両国のみならず一部欧州諸国でも批判が出ている。 これらの批判の背景には、国際社会で核兵器全廃に向けた動き…
憲法審査会、野党は改憲論議の席に着け
あす開幕する臨時国会の焦点の一つが、安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正の論議だ。自民党は衆参両院の憲法審査会に9条への自衛隊明記や緊急事態条項創設など「改憲4項目」を提示し、論議を進めたい考えだ。 自民は4項目説明の考え…
サウジ記者殺害、事件の真相究明を止めるな
サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害をサウジ政府が認めた。国際社会からの信頼を失墜させたサウジとしては、早期の幕引きを図りたいところだろうが、真相の究明によって信頼回復に努め、人権や言論の自由を尊重する姿勢を…
首相欧州歴訪、国際秩序守るため連携強化を
安倍晋三首相がスペイン、フランス、ベルギーの欧州3カ国を歴訪した。 フランスではマクロン大統領と会談。会談に先立ち行われた共同記者発表で、首相は中国の海洋進出を念頭に「国際秩序が挑戦される中、両国の協力はより重要だ」…
医学部入試不正、受験生に対する裏切りだ
昭和大が医学部入試の2次試験の調査書評価で現役と1浪の受験生に加点していたことが分かった。また、一般入試の2期試験で、辞退者が出た場合に備えて設定した合格者枠に昭和大OBの子供を優先的に入れていた。受験生に対する裏切り…
免震データ不正、信頼揺るがした責任は重い
産業部品メーカー、KYBの建物用免震・制振装置の一部で検査データの改竄(かいざん)が判明した。 社会全体で首都直下地震や南海トラフ地震などへの対策が進む中、免震製品への信頼を揺るがした責任は重い。 全国の建物に改竄製…
東方正教会分裂、プーチン政権に大きな打撃
キリスト教東方正教会の最高権威であるコンスタンチノープル総主教庁(トルコ・イスタンブール)は、ロシア正教会が管轄下に置いてきたウクライナ正教会の独立を事実上認める決定をした。 2014年3月のロシアのプーチン政権によ…
韓国の対北融和、擁護では非核化達成できない
韓国の文在寅大統領が海外メディアとのインタビューで、非核化に取り組んでいる北朝鮮の努力に国際社会は応じるべきとの見解を示した。2回目の米朝首脳会談を前に双方の協議が難航していることからも推察できる通り、北朝鮮が本気で非…
来秋の消費増税、全世代型社会保障へやむなし
安倍晋三首相が2019年10月の消費税率10%への引き上げについて、予定通り実施すると表明した。先の自民党総裁選などで訴えた「全世代型社会保障」の実現に向けた財源を確保するためである。増税による経済への悪影響は懸念され…
太陽光発電停止、混乱避けるための妥当な措置
九州電力は太陽光発電事業者の一部に発電の一時停止を求める「出力制御」を2日連続で実施した。 電力の安定供給を維持する上で妥当な措置だと言えよう。 大停電に陥る事態想定 出力制御は、電力の供給が需要を上回り、需給バラ…
辺野古移設、日本の安全のために不可欠だ
沖縄県の玉城デニー知事は首相官邸で安倍晋三首相と就任後初めて会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する立場を伝えて協議の場を早急に設けるよう要請した。 だが辺野古移設は普天間の危険除去と抑止…
日豪2プラス2、中国念頭に連携を深めよ
日本、オーストラリア両政府は外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をシドニーで開いた。共同声明には、安倍晋三首相が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現に向け、安全保障やインフラ投資などで日豪に米国を加えた3カ…
豊洲市場開場、世界視野にブランド確立を
新しい「日本の台所」となる東京都の豊洲市場が開場した。築地閉場時点で524だった水産卸業者は、移転を機に廃業などで492になるが、世界最大級の水産卸売市場であることは変わらない。築地ブランドを継承しつつ、新たな豊洲ブラ…
米中関係悪化、放置できない共産党覇権主義
ポンペオ米国務長官が中国で王毅国務委員兼外相らと会談した際、王氏は最近の米国の対中政策を批判し、ポンペオ氏も中国と根本的な不一致があると反論するなど論争になった。双方の関係悪化は貿易摩擦だけでなく、根底に共産党一党独裁…
米国務長官訪朝、首脳会談ありきでは駄目だ
ポンペオ米国務長官が北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。両氏は2回目の米朝首脳会談を早期に開催することで一致した。一方、北朝鮮が応じたとされる非核化措置は必ずしも歓迎できるものではない。首脳会談ありきでこ…
LGBT条例成立、言論への抑圧を危惧する
いわゆる「LGBT」(性的少数者)に対する差別禁止と外国人に対する差別的言動(ヘイトスピーチ)禁止を柱とした東京都の人権条例が自民党とかがやけTokyo(棄権)を除く各会派の賛成多数で可決、成立した。来年4月に全面施行…