社説
政務活動費を徹底調査の上で県議は辞職を
地方議員に支給される政務活動費が適正に使用されているのか、1日に行われた兵庫県議会・野々村竜太郎議員のマスコミの批判をかわすかのような“号泣”記者会見によって疑惑が浮上している。 国会に比べ注目されない地方議会議員の…
中国にらんだ日豪連携強化を歓迎
オーストラリアを訪問している安倍晋三首相はアボット首相と会談し、両首脳は日豪の経済連携協定(EPA)と防衛装備品の共同開発に関する協定に署名した。 東・南シナ海への海洋進出を強める中国に対応する上で、日豪両国の連携が…
日朝人的往来、スパイ防止法制定が必要だ
北朝鮮が日本人拉致被害者らの安否調査を行うのと引き換えに、政府は独自に科してきた対北制裁の一部を解除する。それによって人的往来や人道目的の北朝鮮籍船舶の入港などが認められ、再び北朝鮮関係者が国内に出入りする。 これま…
ウルムチ騒乱5年、高圧的な少数民族政策改めよ
中国・新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市で大規模騒乱が発生してから5年が経過した。 騒乱の背景には、漢族支配を中心とした中国政府の少数民族政策への不満があった。今年に入ってからもウイグル独立派が関与したとされるテロ事…
漁獲割り当て、持続可能な漁業へ重要な一歩
持続可能な漁業へ、重要な一歩を歩み出すことになった。水産庁は日本周辺の水産資源の回復を目指す「資源管理のあり方検討会」の会合を開き、太平洋のマサバ漁で漁獲可能量を漁船ごとに割り当て管理する「個別割り当て(IQ)方式」を…
対北制裁解除、拉致解決に向かうか危惧する
政府は、北朝鮮に対し日本が独自に科している経済制裁の一部解除を決定した。 安倍晋三首相は北京で開催された北朝鮮との外務省局長級協議について報告を受け、日本人拉致被害者の安否再調査のために北朝鮮が近く設置する「特別調査…
景況感悪化、反動減「限定的」と楽観は禁物
日銀が発表した短観は、4月の消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が響き、企業の景況感が6四半期(1年半)ぶりに悪化したことを示した。大方の予想通りである。 反動減は限定的とする向きも少なくないが、業種によりバラつきも…
集団的自衛権、余計な制約課せば支障を来す
政府は閣議で、集団的自衛権の行使を違憲としていた従来の憲法解釈を是正することを決めた。だが、行使の際の国際社会での制約にさらに上乗せした条件を課しており、今後、運用過程で支障が生じてこよう。 憲法解釈変更は許される …
時代の変化に応じたODA活用を
政府開発援助(ODA)の基本理念を示す「ODA大綱」改定に関する外務省の有識者懇談会(座長・薬師寺泰蔵慶応大名誉教授)が、岸田文雄外相に報告書を提出した。 報告書は、現行制度ではODA対象から除外している軍隊の活動へ…
司法取引、治安の全体像見据え改革を
容疑者や被告が捜査機関に協力し、他人の犯罪事実を明らかにすれば、起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりする。そんな「司法取引」の導入が議論されている。汚職や詐欺、薬物などの組織犯罪などで適用するというのだ。 取り調べ可視…
電力自由化、原発稼働で供給安定化が先決
大手電力会社が地域ごとに独占している電力の小売り事業を2016年をめどに全面自由化する内容の改正電気事業法が先の通常国会で成立した。 自由化によって利用者の利便性向上が期待されるが、現状では電力の安定供給への不安が先…
第1次大戦100年、教訓学び抑止力を向上させよ
1914年のきょう、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで民族主義者のセルビア人青年がオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫妻を暗殺した。この事件が契機となって第1次世界大戦が始まった。 「力の均衡」崩れて勃発 オース…
脱法ハーブ撲滅に向け啓発を強化せよ
東京・池袋で車が暴走し8人が死傷した。自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で逮捕された男は、脱法ハーブを吸った後に車を運転していた。 乱用原因の交通事故増加 脱法ハーブは覚醒剤や大麻と似た作用のある化学物質を…
「事実婚」体外受精、医療従事者の倫理観問われる
不妊治療の一つである体外受精について、全国の産婦人科医師でつくる日本産科婦人科学会(日産婦)が結婚していない、いわゆる「事実婚」カップルにも認めるよう倫理指針を変更するという。 「婚姻」制限外した日産婦 何よりも優…
富岡製糸場の近代化遺産登録の意義大きい
日本の近代化の原点となった「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の世界文化遺産登録が決まった。国内の世界文化遺産は、昨年登録された富士山に続き14件目。自然遺産を含めると18件目だが、近代の産業遺産が登録されるのは初め…
通常国会閉幕、国難に挑むステップとなった
通常国会が閉幕した。法案成立率97・5%の数字が示す通り、自民・公明連立与党が極めて安定した国会運営を果たした。安倍内閣の掲げた「好循環実現国会」は、順調な本年度予算成立をはじめ主要企業の久々のベースアップなど賃上げや…
教委改革、教組との癒着も断ち切れ
教育委員会制度を見直す改正地方教育行政法が成立し、ほぼ60年ぶりに制度が改められる。自治体の長(首長)の権限を強化し、責任の所在を明確化するのが狙いだ。だが、懸案だった教委廃止は見送られ、課題も残した。これで教組との癒…
ウクライナ東部安定へ露は影響力行使を
ウクライナでは、大統領選挙後も情勢沈静化の兆しは見えない。まず、注目された話題は、ロシアとウクライナの天然ガス交渉の決裂である。 欧州連合(EU)が仲介したロシア産天然ガスの対ウクライナ輸出価格協議が物別れに終わり、…
医療・介護法が成立、「地域の力」強化のため支援を
在宅で医療と介護のサービスが受けられる環境を整備するための医療・介護総合推進法が成立した。 サービスの充実のためには、ボランティアなど地域住民の協力が欠かせない。政府には「地域の力」を強化するための支援が求められる。…
ニホンウナギを絶滅危惧種指定、食文化守るため英知結集を
日本人の食になじみ深いニホンウナギについて、国際自然保護連合(IUCN)は、絶滅の恐れがある生物を対象とした「レッドリスト」の最新版に掲載し、絶滅危惧種に指定した。 絶滅危惧種に指定される IUCNの判断は、三つあ…
成長戦略素案、安定成長へ試される実行力
政府は産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)に改定成長戦略の素案を提示した。「日本の『稼ぐ力』を取り戻す」を目標に、雇用、農業、医療の3分野でいわゆる「岩盤規制」を打破する改革を盛り込んだ。 総花的な印象が拭えないが、…
宗派対立克服でイラクの分裂回避を
イスラム教スンニ派の過激派武装組織がイラク北部の支配地域を拡大しつつあり、同国は分裂の危機に直面している。イラクは石油の主要産出国としてわが国にとっても無視できない存在であり、混乱の拡大は中東全域を不安定化させる。 …
理研は不正防止のため抜本改革を
STAP(スタップ)細胞の論文問題を受け、理化学研究所が設置した外部有識者でつくる改革委員会(委員長・岸輝雄東京大名誉教授)は、小保方晴子研究ユニットリーダーが所属する発生・再生科学総合研究センター(CDB)の早急な解…