社説
原発再稼働で安価な電力を
北海道電力は家庭向け電気料金の平均17・03%の値上げを経済産業省に申請した。泊原発(泊村)の再稼働が見通せず、火力発電の燃料費が収益を圧迫するためだ。 東日本大震災以降、同社を含む電力7社が料金の本格的な引き上げを…
周永康氏失脚、政敵追放にすぎない汚職摘発
「トラもハエも一掃する」と公言し、汚職追放に邁進(まいしん)してきた中国の習近平政権は、共産党政治局常務委員だった周永康氏を失脚に追い込んだ。胡錦濤前政権下で9人、習政権下で7人の政治局常務委員会は国家の最高意思決定機…
危険ドラッグ、名称変更を根絶への第一歩に
脱法ドラッグに代わる新しい呼称は「危険ドラッグ」に決まった。覚醒剤や大麻と同様の幻覚・興奮作用がある薬物であるにもかかわらず、「脱法」という表現が危険性を誤認させる恐れがあるため、警察庁などが代替案を公募していた。 …
ガザ侵攻、これ以上の流血を阻止せよ
パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム根本主義組織ハマスとイスラエルとの戦闘が激化し、イスラエル軍のガザへの侵攻にまで発展した。戦闘開始からのイスラエル側の死者は市民3人を含む51人だが、ガザの死者数は1088人…
対露追加制裁、撃墜の全容解明につなげよ
政府はウクライナ情勢に関する対露追加制裁措置を発表した。ウクライナ東部でのマレーシア航空機撃墜事件を受けてのものだ。全容解明のため、現地の親露派に影響力を持つロシアへの圧力を高める必要がある。 親露派が調査を妨害 制…
海洋の安全確保でインドネシアと協力強化を
インドネシアの大統領選挙で「庶民派」として人気の高い闘争民主党のジョコ・ウィドド氏=ジャカルタ特別州知事=が、元軍幹部で「強い指導者」をアピールしたグリンドラ党のプラボウォ・スビアント氏を退けて当選した。 「庶民派」…
中国鶏肉食品、事件の徹底的な真相解明を
中国上海市の食品会社「上海福喜食品」が、期限切れの鶏肉などを使った加工食品を、日本マクドナルドやファミリーマートに出荷していた事件で、日本マクドナルドは中国で製造された鶏肉商品の販売を中止した。今のところ国内で健康被害…
都知事の“地ならし”を日韓関係の打開に生かせ
姉妹友好都市の韓国・ソウル市を訪問した東京都の舛添要一知事が朴槿恵大統領と会談し、日韓関係改善を望む安倍晋三首相のメッセージを伝えた。 朴大統領が日本側要人と個別に面会するのは、昨年2月に大統領就任式に出席した麻生太…
「道徳教材」調査、教育関係者の意識改革徹底を
小中学校での道徳教育に関わる教育委員会、学校の管理職、道徳教育推進教師らは、教育内容を一層充実させるよう意識改革を徹底するとともに、教育力を向上させるべきである。 改善されぬ実態判明 文部科学省は今年度から新たな道…
期待も関心も失う海江田体制
民主党は来週31日、海江田万里代表の執行部における過去1年間を総括する両院議員懇談会を開く。 党勢不振から岡田克也前副総理、玄葉光一郎前外相らが来年9月の任期満了を待たずに代表選の前倒しを求め、海江田氏は拒否する構え…
拉致解決に向けモンゴルと連携強化を
安倍晋三首相はモンゴルのエルベグドルジ大統領と会談し、経済連携協定(EPA)を結ぶことで大筋合意した。 北朝鮮と国交のあるモンゴルとの関係強化は、日本人拉致問題の解決に向けても重要だ。 EPA締結へ大筋合意 日本に…
父子DNA訴訟、「公の秩序」守る妥当な判決
最高裁はDNA型鑑定で血縁がないことが証明された場合でも法律上の父子関係を認めるべきだとの判決を下した。これは血縁の有無よりも「嫡出推定」を重視し、子の利益と家庭の安定を図ろうとする民法の趣旨に沿った妥当な司法判断だ。…
海の日、海洋国家への戦略再構築を
きょうは「海の日」。「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨とする国民の祝日だ。日本人と海との関わりをもう一度見つめ直し、海洋国家としての日本のこれからを考える日としたい。 近海に豊かな埋蔵資…
石油掘削撤収、中国に国際法順守を訴えよ
中国はベトナムと領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で行っていた石油掘削作業を、当初予定よりも1カ月早く完了した。 ベトナムでは中国を追い出したという「勝利の高揚感」が広がる一方、中国の掘削再開への…
少子化非常事態、国と地方で大胆な施策を
佐賀県唐津市で開かれた全国知事会議で「少子化非常事態宣言」を採択し、国・地方を通じて少子化対策に総力を挙げて取り組むべきだとの考えを打ち出した。「非常事態」は決して大袈裟な表現ではない。深刻な現実である。 「死に至る病…
ウクライナでの衝突招いた露の責任は重い
パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの軍事攻撃やイスラム根本主義組織ハマスの反撃などの話題がクローズアップされている一方で、ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州でも悲惨な軍事衝突が日夜、展開されていることに注目したい…
川内原発の速やかな再稼働を実現せよ
原子力規制委員会は九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)の安全対策が新規制基準に「適合している」とする審査書案を発表した。同発電所は、再稼働の前提条件である安全審査に事実上合格したことになる。全国の原発で初めて…
滋賀県知事選、慢心戒め丁寧な政権運営を
滋賀県知事選は、無所属新人で元民主党衆院議員の三日月大造氏が、自民、公明両党が推薦する元経済産業省官僚の小鑓隆史氏ら無所属2新人を破り、初の当選を果たした。 告示前は小鑓氏が大幅にリードしていたとされるが、閣僚の失言…
W杯閉幕、長期的な若手育成進めよ
1カ月に及んだサッカーの祭典ワールドカップ(W杯)ブラジル大会が閉幕した。決勝はドイツが延長の末にアルゼンチンを下して、西ドイツとして参加した1990年イタリア大会以来、24年ぶり4度目の優勝を飾った。日本は1分け2敗…
集団的自衛権、日米同盟強化につなげよ
小野寺五典防衛相はヘーゲル米国防長官と米国防総省で会談し、安倍内閣が閣議決定した集団的自衛権の行使容認について説明した。 ヘーゲル氏は歓迎を表明し、年内に改定する日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に反映させるこ…
パレスチナ衝突、停戦への努力を加速せよ
イスラエルとイスラム根本主義組織ハマスが再び衝突、情勢は悪化の一途をたどっている。宿敵である双方に譲り合う可能性はなく、周辺国、国際社会による仲介が急務だ。 エジプトによる仲介困難 衝突でイスラエル側に死者は出ていな…
挙国一致でイラク分裂の危機打開を
イラクでは、イスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」が「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を最高指導者とする政教一致のイスラム国家樹立を宣言したことで、分裂の恐れが強まっている。 現在の危機的状況を打開するために…
北ミサイル発射に甘い対応では付け込まれる
北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。日本政府は厳重抗議したが、北朝鮮が日本人拉致被害者らの安否を調査する特別委員会を設置した折でもあり、批判が抑制的であったのは残念だ。 北朝鮮の弾道ミサイル発射は国連安全保…