メディア批評
日本人としての品位に欠ける東京の「石原慎太郎氏の差別発言」特集
一つの時代が終わる 石原慎太郎氏が亡くなったのは、2月1日だった。その評伝や回想録など未(いま)だ各紙の紙面をにぎわせている。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」にも似た「死せる慎太郎、生ける記者の筆を走らす」の様相を呈…
あさま山荘事件50年、「前衛党の組織論」を問題にせぬ甘い各紙論評
共産党もリンチ査問 共産主義集団が革命資金を得るために銀行を襲い、武装闘争に挫折するとアジトに立てこもって同志をリンチ査問し、死に至らしめる―。 こう書けば、読者は50年前の連合赤軍事件だと思われるだろう。連合赤軍と…
新型コロナ「5類」への変更より法律運用での柔軟対応を説く専門家
2類相当とは言えず 新型コロナ感染の第6波をもたらしているオミクロン株(オミ株)は感染力の高さと重症化リスクの低さが明らかになっている。このため、感染症法で位置付けられる「2類」相当を、季節性インフルエンザと同じ「5類…
「『新聞記者』は死んだ」とし調査報道など望めぬ現状を伝えるポスト
ニュース速報で後れ 動画配信サービスで「新聞記者」というドラマが話題になっている、という。米倉涼子演じる記者が政府公文書改竄(かいざん)事件を追究するドラマだ。すでに映画にもなっており、主人公の女性記者を韓国女優のシム…
「赤旗」で立民批判、野党共闘ごり押し参院選へ
「補完勢力」維新と協議した立民は謝罪、弱みさらけ出す 共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(2・10)は、9日の中央委員会幹部会を、翌11日付で同幹部会決議を下部組織に徹底させる10日の全国都道府県委員長会議を報じた。参院選…
改憲タスクフォース、国民投票の実現へ運動
「自由民主」、「反対」と「解釈」の厚い壁 自民党の機関紙「自由民主」インターネット版は16日付で、憲法改正実現本部(古屋圭司本部長)憲法改正・国民運動委員会(新藤義孝委員長)の下で改憲運動を行う「タスクフォース」(TF…
ISS運用延長でも唯一社説を掲げ月探査新技術の開発活用説く読売
経費の圧縮が課題に 2024年までの運用が決まっている国際宇宙ステーション(ISS)について、それ以降、わが国はどう対応するのか。 前回の小欄では、H2Aロケットに代わる基幹ロケットH3の開発遅れに読売だけが社説を掲…
エネルギー安全保障の重要性に触れず紋切り型の反原発論に終始する朝日
危機迫るウクライナ ロシア軍がいつウクライナに侵攻しても不思議ではない。そんなきな臭いニュースが連日、伝えられる。2014年にウクライナ領土のクリミア半島が奪われた際には、東部地域で市民を含む約1万4000人が犠牲にな…
モノ作りの伝統生かし世界シェア1位、製造業の底堅さうたうポスト
環境保全設備が隆盛 地球温暖化対策が課題となり、将来性のある事業の一つとして上げられるのが環境保全設備。週刊ポスト2月11日号の「世界シェア1位の32社実名リスト/知られざる超優良企業」で、その分野を手掛ける二つの企業…
五輪政治利用の中露首脳会談非難するもリアリズム欠落の毎日社説
共闘を演出した中露 北京冬季五輪開幕の4日、北京の釣魚台迎賓館で行われた中露首脳会談に関し日経、毎日が社説を張った。 6日付の日経社説は「ひたすら技を競い合うべき平和の祭典に軍靴の音さえ聞こえかねない国際政治上の対決…
福島を苦しめる反原発派元首相「5人組」の「風評犯罪」に加担する朝毎
誤情報広め差別助長 それにしても呆れた「5人組」である。菅直人、小泉純一郎、鳩山由紀夫、村山富市、細川護熙の5人の首相経験者が欧州連合(EU)の原発容認に反対する書簡を宛てた。 反原発を唱えるのは勝手だが、その中に東…
半導体への官民投資が世界で急加速していると指摘するエコノミスト
「メタバース」に脚光 世界的な供給不足で話題となっている半導体。かつて日本のお家芸とされていた半導体産業が今や中国、韓国、台湾に抜かれて瀕死(ひんし)の状況と報道されていることもしばしば。ところが、実際のところは日本の…
「太陽の孤独」との表現でいち早く石原慎太郎氏追悼記事を載せた文春
「政治より文学取る」 小説家であり政治家であった石原慎太郎が死去した。享年89。小説「太陽の季節」が芥川賞を受賞し(1956年)、一躍時代の寵児(ちょうじ)となる。政治家に転身した(いや、小説家は辞めていなかったのだか…
次期基幹ロケットH3の打ち上げ再延期に唯一社説で危機感示す読売
主エンジンに不具合 わが国の現行主力ロケット「H2A」の後継機として、開発が進められている新型ロケット「H3」の開発が遅れている。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、今年度内に予定していたH3初号機打ち上げ…
名護市長に「黙認、沈黙」とウソのレッテルを貼り反辺野古を煽る朝毎
都合悪い真実語らず 黙認、沈黙、語らず。こんな活字が新聞紙面を飾っていた。去る1月23日に投開票が行われた沖縄県名護市の市長選挙は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の辺野古移設を進める与党推薦の現職、渡具知武豊氏が圧勝…
独裁体制下の安定に後戻りする中東、西側諸国の責任指摘する英ネット紙
民主化に悲観的見方 中東・北アフリカ(MENA)の民主化運動「アラブの春」から10年余。各国で長期独裁政権の崩壊など政変が相次いだが、民主化にはつながっていない。米ワシントンのリスクコンサルタント「ガルフ・ステート・ア…
オミクロン対策で尾身氏「人流・人数」発言を議論した日曜討論など
人流抑制策が後退? 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の新規感染者数が6万、7万、8万と日に日に過去最高を更新していく。全国で初の5万の大台を超え、東京都でも初めて1万人を超えたのは22日。23日の報道番組はそ…
「皇位」の安定継承 「女帝論」は順位を乱す
「男系男子」基本に続く皇統、不見識な「愛子天皇待望論」 岸田文雄首相が今月中旬、安定的な皇位継承の在り方に関する政府の有識者会議の検討結果を国会に報告し、議論の場は国会に移った。この政治の動きの中で、気になる論壇の動向…
産経連載が示す香港の実態は自由社会に警告発する「炭鉱のカナリア」
言語を奪う同化政策 産経14日付1面連載「香港改造」第3回は、香港の子供たちに中国式教育を押し付けている実態をルポした。 同連載では、香港国家安全維持法(国安法)施行以後の香港教育現場の急速な変化を詳細に描いている。…
原子力に対する潮目の変化にも知らぬ顔の半兵衛の反原発派メディア
「もんじゅ」が“復活” 「原子力」に対する潮目が今年に入って変わった。2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故後、メディアでは朝日が主導する反原発派が席巻し、太陽光や風力などの再生エネルギーに焦点を当て、原発を過去…
性的少数者の新たなカテゴリーを主題にしたNHK「恋せぬふたり」
微妙に変化する定義 長年、LGBT(性的少数者)問題をウオッチし、またその支援団体が開くセミナーに足を運んでいると、周囲から「もしかしたらゲイですか」と聞かれることがある。 そんな時、筆者はこう答えることにしている。…
「銃」を持ち出し危機を煽るNW日本版「2024年の全米動乱」特集
「議会襲撃」の再演も ニューズウィーク日本版(1月25日号)が「2024年の全米動乱」という特集をしている。「動乱」とは穏やかではないが、今年は米中間選挙があり、2年前の大統領選でバイデン陣営に「勝利を盗まれた」と信じ…
「公明新聞」“立党の武器”強調し購読推進
創刊60年の節目、勢力拡大に日刊機関紙を活用 公明党の機関紙「公明新聞」は、「公明党にとって今年は、『大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく』との不変の立党精神を、党創立者が示されてから60年の節目と…