宮城 能彦
東京五輪が顕在化させた課題
沖縄大学教授 宮城 能彦 新しい目標見出せぬ日本 「多様性」ある社会を目指そう オリンピック・パラリンピックが終わった。 私は、結果的に実施してよかったと思う。おそらく今回の開催地が東京でなければオリンピックは中止にな…
1964年の東京五輪と沖縄
沖縄大学教授 宮城 能彦 日の丸を振り聖火歓迎 「我々も同じ日本人」と確認 1964年の東京オリンピック。 当時私は4歳だったので、直接の記憶がないのが残念である。しかし、当時の沖縄社会の雰囲気や、沖縄県民にとって6…
「定常型社会」を迎えた日本
沖縄大学教授 宮城 能彦 「成長せず」を前提に対策 「自助」支える共同体づくりを 約60年前の高度経済成長を経て豊かになった日本。オイルショックやバブルやリーマンショック等を得て、かつてほどの勢いはないものの、世界的に…
沖縄県民こそボランティアを
沖縄大学教授 宮城 能彦 被災地で各地の問題直視 沖縄問題「相対化」する契機に 2011年3月11日の東日本大震災から10年が経(た)った。 10年目の節目ということで、テレビや新聞ラジオではその特集が目白押しである…
知ってほしい「等身大」の沖縄
沖縄大学教授 宮城 能彦 来年、日本復帰から半世紀 同じ国民として問題の解決を 年が明け、2021年になった。来年は沖縄が日本に復帰して半世紀となることに、ふと気が付いた。戦後、米軍統治下の沖縄に生まれ育った者には感慨…
沖縄県民が抱くコンプレックス
沖縄大学教授 宮城 能彦 反日教育・メディアが影響 歴史・文化に誇り持てる授業を 私は日本人であることに誇りを持っている。1972年に沖縄が日本に復帰してほんとうに良かった。小学6年生だった。 ところが、日本復帰を否…
社会を分断する新型コロナ
沖縄大学教授 宮城 能彦 「自粛」か「ただの風邪」か なし崩し的に「普通の生活」に 新型コロナはますます猛威を振るい社会を分断している。 「このままではアメリカのように多くの死者が出るのも時間の問題」という「専門家」…
コロナ禍で取り残された大学生
沖縄大学教授 宮城 能彦 対面授業求める悲痛な声 「遠隔」なら授業料一部返還を 新型コロナに関する情報が錯綜(さくそう)し、国民はもう何を信じていいのか分からない状態である。テレビは相変わらず危機感だけを助長して国民を…
ネット環境整備で過疎化対策を
沖縄大学教授 宮城 能彦 田舎での仕事や授業可能 コロナ後の一つの生活様式に 今、多くの大学でZoomやTeamsを使った遠隔授業を行っている。しかし私は動画での配信は行っていない。いや、行うことができない。なぜなら、…
大学でタブー視される軍事研究
沖縄大学教授 宮城 能彦 教養科目に「軍事学」を 戦争回避のため必要不可欠 新型コロナウイルスが猛威を振るっている。 私が住む沖縄県では、3日17時現在の県保健医療部による日報によると、感染者数11人で既にうち3人の…
日本の大学入試の問題点
沖縄大学教授 宮城 能彦 「運」が左右する一発勝負 複数回の資格検定試験実施を 今回が最後だと言われる大学入試センター試験が終わった。 しかし、来年度から新しく始まる大学入学共通テストに関して、かなりの混乱が生じてい…
首里城火災で感じた戸惑い
沖縄大学教授 宮城 能彦 早過ぎる募金呼び掛け しばし喪に服し再建考えよう ネット配信の「沖縄タイムス+プラス」の速報で首里城正殿が激しく燃えていることがアップされたのが、31日の午前4時53分。それからわずか6時間後…
「学ぶことは楽しい」の復権を
沖縄大学教授 宮城 能彦 強制するから勉強嫌いに できた時の達成感、誰もが経験 小中高校生を持つ母親から相談を受けることがたまにある。ほとんどは、「うちの子がもっと勉強するようになるには、どうしたらいいのでしょうか」と…
埋め立てで面積広げた沖縄
沖縄大学教授 宮城 能彦 理不尽な辺野古だけNG 沖縄軍港の浦添市移転はOK 私は沖縄県浦添市の出身である。浦添市は那覇市の北東、東シナ海に面する市であるが、海岸のほとんどを米軍基地(キャンプ・キンザー)が占めており、…
なぜ沖縄に広大な米軍基地が
沖縄大学教授 宮城 能彦 本土移転阻んだ憲法9条 読み方で印象変わる新聞記事 モノゴトは立場や角度を変えてみると全く別のものに見えてくる。あるいは、立場を変えて見たり考えたりすることで全く正反対の印象を受けることがある…
発想の転換なき大学入試改革
沖縄大学教授 宮城 能彦 「知識不足」の学生たち 「選別」から「育てる」に重点を 2020年度から大学の入試の方法が変わるらしい。 大学で勤めているのにもかかわらず「らしい」などという表現を敢(あ)えてしたのは理由が…
沖縄の県民投票実施に疑問
沖縄大学教授 宮城 能彦 安易に賛否答えられず 失敗だった平成8年の投票 玉城デニー沖縄県知事は11月27日に名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票を来年2月14日告示、同24日投開票と発表した。 「県民が意思…
玉城新沖縄県知事への不安
沖縄大学教授 宮城 能彦 政策未熟で具体性なし 「弔い合戦」と好景気で当選 ご存じの通り、9月30日に投開票された沖縄県知事選では、前自由党衆院議員の玉城デニー氏が、自公が全面支援した前宜野湾市長の佐喜真淳氏らを破って…
学生の就活に教員も関与を
沖縄大学教授 宮城 能彦 企業の担当者と情報交換 信頼関係繋がり変わる社会 大学生の就職状況は相変わらず好調である。私が所属する大学の4年生も次から次へと内定をもらっている。しかし、手放しで喜べないこともある。それは、…
論理性欠く沖縄「平和教育」
沖縄大学教授 宮城 能彦 悲劇の原因究明を怠る 世界史的観点からの考察必要 今年も沖縄の終戦記念日である6月23日がやってきた。 糸満市摩文仁の平和祈念公園では今年も県と県議会が主催する沖縄全戦没者追悼式が執り行われ…
AIの時代に必要な教育
沖縄大学教授 宮城 能彦 魅力ある大人の背中示せ 豊かな発想は豊富な知識から 先日、高校の先生から興味深い話を聞いた。 高校生たちが真剣に「将来なくなってしまう仕事は何か」と議論しているというのである。最近よく話題に…
沖縄問題の受益圏と受苦圏
沖縄大学教授 宮城 能彦 当事者性もっと意識を 観念的過ぎるタイムス「視点」 私は個人的には普天間基地の名護市辺野古への移転は反対である。そう書くと多くの人たちは驚くのだろうか。しかし、多くの沖縄県民は同じ心情だと思う…
田舎暮らしを考えてみる
沖縄大学教授 宮城 能彦 精神的余裕ない都会人 東京一極集中見直すべき時 調査や学会などで、いわゆる「田舎」に行くことが多い。そこでいつも感じることは田舎の人たちの親切さと勤勉さである。 調査をさせてもらっている私が…