小林 宏晨
ロシアの対ドイツ情報戦争
日本大学名誉教授 小林 宏晨 少女強姦事件捏造し放送 メルケル政権不安定化狙う 戦争には多様な側面が存在し、情報戦もその一側面だ。情報戦の特徴はその行動が戦時・平時と問わないところにある。最近の一例を紹介しよう。ロシア…
独における反イスラム言動
日本大学名誉教授 小林 宏晨 平和的共存を乱す危険 無制限ではない言論の自由 人々は、その意見を自由に表明し、議論する場合にのみ、その政治意思を形成することができる。これこそが民主制の基盤である。しかし、他者を中傷し、…
解釈改憲も憲法改正の一つの道
ドイツと日本の交流150年 日本大学名誉教授 小林宏晨氏に聞く EU(ヨーロッパ連合)で独り勝ちの様相を呈しているドイツと日本の交流は1861年の修好通商条約に始まる。今年、修好150年を記念する展示が歴史民俗博物館を…
砂川判決 自衛措置に「集団」「個別」なし
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(15) 日本大学名誉教授 小林宏晨 安倍内閣が集団的自衛権の限定的容認の根拠とした「砂川判決」を中心に本稿の結論としたい。 最高裁は砂川事件の差し戻し判決(1959年)で、憲法…
従来見解の問題 自衛権発動3要件適用せず
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(14) 日本大学名誉教授 小林宏晨 従来の政府見解の問題点を挙げれば、第1に、自衛権発動の3要件が個別的自衛権ばかりか、同時に集団的自衛権にも適用される事実を全く考慮せず、独断的…
従来の政府見解 他国への武力攻撃の阻止認めず
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(13) 日本大学名誉教授 小林宏晨 あるケースに自衛権を適用し、武力行使の合法性を主張するためには、個別的自衛権そのものを拡大解釈するか、あるいは集団的自衛権の行使の必要性を認め…
9条と集団的自衛権 平和に寄与する双務性の勧め
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(12) 日本大学名誉教授 小林宏晨 自衛権への直接的言及は、日本国憲法の前文にも、また9条に見られない。しかし1970年代に、政府解釈は「集団的自衛権に限って、日本国がこの権利を…
憲法9条の変遷 「自衛隊」も憲法適合性が前提に
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(11) 日本大学名誉教授 小林宏晨 日本国憲法は、占領下の異常状態の下で検閲を含む占領体制の様々な超憲法的制約の中で制定された。このため日本国民の憲法制定権力が行使されたと見なす…
憲法の変遷論 憲法解釈が決定的な役割果たす
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(10) 日本大学名誉教授 小林宏晨 日本国憲法の平和主義は、その前文と第9条に基づいており、現在でも与野党を問わず、平和主義そのものに反対する政党は存在しない。 しかも日本の憲…
湾岸戦争 6カ月要した「錦の御旗」
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(9) 日本大学名誉教授 小林宏晨 1990年8月2日、イラク軍による対クウェート侵略戦争が開始された数時間後に国連安保理事会は第1回目の660号決議を行った。そこで安保理は、イラ…
朝鮮戦争 安保理勧告に応じた多国籍軍
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(8) 日本大学名誉教授 小林宏晨 集団的自衛権の最も典型的な用例として、朝鮮戦争と湾岸戦争を上げる。 朝鮮戦争は、1950年6月25日、中華人民共和国ではなく、中華民国(台湾)…
法的制限 国際司法裁判所の見解に疑念も
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(7) 日本大学名誉教授 小林宏晨 現在では武力攻撃は国連憲章違反とされている。しかも国連憲章第103条は「国際連合加盟国のこの憲章に基づく義務と他のいずれかの国際協定に基づく義務…
国際司法裁判所 自衛の極限下で「核」も排除せず
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(4) 日本大学名誉教授 小林宏晨 自衛行為としての戦争は、武力攻撃への対応における対抗措置の包括的適用である。ある状況下において自衛権が戦争に訴える権利であることは疑いがない。換…
国際司法裁判所 自衛の極限下で「核」も排除せず
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(4) 日本大学名誉教授 小林宏晨 自衛行為としての戦争は、武力攻撃への対応における対抗措置の包括的適用である。ある状況下において自衛権が戦争に訴える権利であることは疑いがない。換…
個別的自衛権 自国民救出は自衛措置として正当
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(3) 日本大学名誉教授 小林宏晨 自衛権は、あくまでも武力攻撃を前提とする武力反撃の権利だ。武力攻撃は、国家によるものと国家によらないものに分類されるが、後者は、テロ集団のように…
国連憲章以前に自然権ですでに確立
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(2) 日本大学名誉教授 小林宏晨 筆者が集団的自衛権と取り組んだ時期は、防衛研修所(現防衛研究所)の西岡朗氏を座長とする自衛権に関する1983年の「共同研究」においてであった。そ…
安保法制は妥当な「憲法の変遷」
詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性(1) 日本大学名誉教授 小林宏晨 安倍晋三政権の平和安全法制案の審議が佳境に入っている。しかし、限定的とはいえ集団的自衛権の容認を盛り込んだ同法案は、戦後安保政策の大転換ともいえ…
機能するための抑止論再考
日本大学名誉教授 小林 宏晨 集団的自衛権を土台に 西側の価値守る相互補完を 最近まで抑止の理論と実践は冷戦の遺物と見做されていた。しかし、ウクライナ危機の影響下に抑止原理は極めて現実味を帯びるようになった。抑止は今や…
独大統領のアルメニア人追悼
日本大学名誉教授 小林 宏晨 明確に「集団虐殺」の見解 政治解決を要する事実の承認 ガウク独大統領は4月23日、100年前(1915年)の第1次世界大戦中にオスマン帝国がアルメニア人民に対して行ったとされる虐殺事件に関…
シャルリエブド事件に思う
日本大学名誉教授 小林 宏晨 自由と安全を崩す恐れ 同化が困難なムスリム移民 1月7日パリで12人が殺害されたシャルリエブド事件は、法的基準ばかりか、政治的基準からしても重大である。この犯罪が、西側世界に対するグローバ…
プーチン露大統領の歴史像
日本大学名誉教授 小林 宏晨 独ソ不可侵条約を評価 ウクライナ情勢重ねる認識 プーチン・ロシア大統領は欧州における侵略戦争を“復活”した。ロシアの歴史像は、この展開に適応し、1939年の独ソ不可侵条約を“復権”した。 …
独へのナチス犯罪補償請求
日本大学名誉教授 小林 宏晨 伊で私人と国家の争い 続く第2次大戦の戦後処理 来年(2015年)は第2次世界大戦後既に70年となる。我が国では依然として「慰安婦問題」、「靖国神社参拝問題」、「領土問題」が国民の心理的負…