早川 俊行
貿易戦争は戦略的ツール
米中新冷戦 第3部 識者インタビュー (15) 米戦略予算評価センター上級研究員 トシ・ヨシハラ氏(上) 米国の対中政策は、トランプ政権下でどう変化したか。 対中政策の基本的な前提が劇的に変わった。ニクソン政権以来、対…
共産党の本質見誤った米
米中新冷戦 第3部 識者インタビュー (14) 元ロサンゼルス・タイムズ紙北京支局長 ジェームズ・マン氏 「新冷戦」の様相を呈する米中対立をどう見るか。識者に聞いた。 (聞き手=編集委員・早川俊行) 2007年の著書…
強まる人権弾圧、史上最悪の統制国家に
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (7) 昨年11月、ワシントンのシンクタンク、ケイトー研究所が開催した中国新疆ウイグル自治区の人権侵害をテーマにしたシンポジウム。司会者からこんな強烈な意見が表明された。 「…
5G覇権争い、勢力圏分ける「踏み絵」か
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (5) 何者かがニューヨーク市内の全世帯のエアコンを操作し、設定温度を一斉に数度変えたらどうなるだろうか。発電所がパンクし停電してしまうかもしれない。あり得ないと思えるこんな事…
貿易戦争の「本丸」、中国パワーの源泉叩く
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (3) 冷戦時代、米ソの核戦争を抑止したのは「相互確証破壊」だった。核攻撃を行えば報復核攻撃を受けて相互に破滅するという「恐怖の均衡」が両国の行動に歯止めを掛けた。 これに対…
親中派勢力の失望、「応援団」やめた経済界
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (2) 昨年11月、米経済界の重鎮がシンガポールで行った演説が様変わりした米中関係を象徴していた。 「中国の経済開放が遅いため、米経済界は(中国の)擁護者から懐疑派に変わり、…
「常識」砕いたトランプ氏、半世紀の関与政策を転換
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (1) 米国と中国の対立は、貿易戦争を超え軍事やハイテク分野を含む全面対決の様相を呈してきた。21世紀の覇権を懸けた「新冷戦」の背景や現在の動きを、第1部は米国側から探る。(編…
どう動く北朝鮮の核・ミサイル
米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談が昨年6月12日にシンガポールで行われ、朝鮮半島の完全な非核化が合意されたものの、その実現の見通しは立たないまま年を越えた。新年早々にも2度目…
米ニューヨーク・エリス島 「移民の玄関口」の歴史刻む
NEWSクローズ・アップ 米ニューヨーク湾にあるエリス島はかつて、自由や豊かな生活を求めて米国に渡ってきた移民たちの玄関口だった。多くの人が入国審査を受けたこの島には、移民国家としての米国を形作った歴史の1ページが刻ま…
社会の亀裂どう克服、愛国心に訴えるトランプ氏
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (9) 米国内の党派対立は年々先鋭化しているが、トランプ大統領が進めるあらゆる政策や人事に反対する左翼勢力の抵抗運動は、これまで見たことがないほどの激しさだ。 そもそもトランプ…
変わる公教育の役割、かつては移民の同化を担う
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (8) 移民国家の米国は、過去に移民が大量に入ってくる時期を何度か経験してきた。それでも国家としてまとまってきたのは、移民を米国民として同化させることを重視してきたことが大きい。…
移民の政治利用、民主党支持層増やす手段に
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (7) 米国で長年、国論を二分する政治・社会論争となっている移民問題。メキシコ国境からの不法移民流入を防ぐ壁建設やイスラム教国からの入国制限を主張するトランプ氏が大統領に就任して…
消える「同化」の伝統、対立助長する「多文化主義」
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (6) 「共産主義の悲惨な状況を逃れ、米国にやって来て素晴らしい人生になった。その私が一体どうして米社会の被害者なのか。あり得ない」 米有力保守系シンクタンク、ヘリテージ財団で…
揺らぐ大学の価値、学生に「反米」を植え付け
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (5) 「娘とは政治の話ができないのよ。口論になってしまうから」。ワシントン郊外に住む主婦のMさんは嘆いた。日本出身で米国籍を取得しているMさんは、米国人の夫とともに共和党支持者…
偏向する歴史教科書、主要20冊が全て左翼傾斜
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (4) 米オハイオ州のデイトン大学教授だったラリー・シュワイカート氏が、共著で『愛国者のアメリカ史』を出版したのは2004年のことだった。教育現場で使われる歴史教科書が左翼の視点…
筋金入りの共産主義者、党員の過去を偽ったジン氏
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (3) 故ハワード・ジン・ボストン大学名誉教授の「民衆のアメリカ史」は、マルクスの「階級闘争史観」から米国の歴史を書き直した著作だが、ジン氏は実際、米国共産党に所属していた筋金入…
歪んだ「ジン史観」、邪悪な国と一貫して描写
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (2) 米国民の歴史観に大きな影響を与えた故ハワード・ジン・ボストン大学名誉教授の著書『民衆のアメリカ史』。「共産党宣言」の冒頭で「今日までのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史で…
歴史を書き換えた1冊、人々から国家への誇り奪う
米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流 (1) 第1部、第2部では、米国で自国の歴史や現代社会を否定的に捉える風潮を示す事例を紹介した。第3部では、こうした「自虐主義」がなぜ浸透したのか、その背景を探る。(編集委員・早…
最大の脅威は中国浸透工作
インタビューfocus 台湾海峡情勢の行方 元台北駐日経済文化代表処代表・羅 福全氏 台湾に対する中国の圧力により不安定化する台湾海峡情勢。中国はどこに向かい、台湾はこれにどう対応すべきか。台湾の駐日大使に相当する台北…
台湾との関係強化に動く米
中国の露骨な圧力に対抗 米国が台湾との関係強化に動いている。米国はこれまで、台湾に関して中国を刺激する行動を極力控えてきたが、中国の露骨な外交的、軍事的圧力で台湾海峡の安定が脅かされており、中国配慮より台湾支援を優先す…
海自潜水艦訓練の戦略的意味
インタビューFOCUS 元統合幕僚学校副校長・海将補 川村純彦氏 海上自衛隊の潜水艦「くろしお」と護衛艦「かが」など3隻が今月13日、中国が軍事拠点化を進める南シナ海で訓練を実施した。防衛省が秘匿性の高い潜水艦の行動を…
若者の歪んだ歴史観、政治の方向性誤らせる恐れ
米国の分断 第2部 反米・容共の風潮 (7) 「ばかげている、ばかげている」。共産主義の残虐な歴史を後世に伝える活動を行う米非営利組織「共産主義犠牲者追悼財団」のマリオン・スミス事務局長は、本紙のインタビューの最中、険…
甦るマルクスの亡霊、ミスリードするメディア
米国の分断 第2部 反米・容共の風潮 (6) この2年間で新会員を一気に増やし、影響力を拡大させている左翼政治団体「アメリカ民主社会主義者」(DSA)。そのオレゴン州ポートランド支部で共同議長を務める女性が今月初め、ツ…